唇が荒れるのはなぜ? 主な原因・セルフケア・予防習慣の完全ガイド

唇が荒れるのはなぜ? 主な原因・セルフケア・予防習慣の完全ガイド

この記事では、唇が荒れる原因からNG行動、効果的なケア、性別・年代別の対策ポイントをご紹介します。

               
唇がカサついたり皮がむけたりすることはありませんか? 乾燥や紫外線、日常のクセやメイク製品の刺激など、原因はさまざまです。放っておくと悪化して、炎症や出血を招くこともあります。この記事では、唇が荒れる主な原因と避けるべきNG行動、予防のポイントや年代別の対策まで、わかりやすく解説します。

唇が荒れる主な原因をチェック

唇は皮膚が非常に薄く、外部刺激に弱い部位です。汗腺や皮脂腺がほとんどないため、自力でうるおいを保つことが難しく、さまざまな要因で荒れやすくなります。ここでは、唇が荒れる主な原因を見ていきましょう。

乾燥や気候による影響

秋冬の乾燥した空気や寒暖差は唇の水分を奪い、荒れやひび割れの原因になります。とくに冷たい風が吹く屋外や、暖房による乾燥した室内では、唇のバリア機能が低下しやすくなります。また、夏でも冷房の効いた空間で長時間過ごすと、肌と同じように唇も乾燥が進みます。季節を問わず、湿度管理とこまめな保湿を心がけることが大切です。

生活習慣の乱れや栄養不足

食生活の乱れや睡眠不足、喫煙・飲酒といった習慣は、皮膚の代謝と血行を滞らせ、結果として唇の乾燥やくすみを招きやすくなります。また、ビタミンA・B2・B6などの栄養素が不足すると、皮膚や粘膜の再生が追いつかず、口角炎やひび割れが起こりやすくなります。健康な唇を保つためには、スキンケアだけでなく生活習慣を見直すことが重要です。

無意識のクセや刺激

唇を舐める、噛む、皮をめくるといったクセは、唾液の蒸発や摩擦によって乾燥を悪化させます。とくにストレスや緊張を感じたときに、自分を落ち着かせるために無意識で唇を触ってしまうことも。こうした行為を繰り返すことで、慢性的に荒れやすい状態が続くことがあります。また、めくれてきた皮を無理にむくと、肌への刺激となり、唇のダメージを悪化させる原因となります。

リップ製品やメイクの影響

毎日使うリップクリームや口紅などが唇に合わないと、乾燥や荒れを引き起こすことがあります。マットタイプやティント系のリップは落ちにくい反面、水分や油分が少なく、乾燥を招きやすい傾向があります。また、香料や着色料、防腐剤などの成分が刺激となることもあるため、使用後にかゆみや赤みが出た場合は使用を中止し、低刺激タイプに切り替えることが大切です。

アレルギーや口唇の炎症

食べ物や化粧品、花粉などに対するアレルギー反応によって、唇に赤み・かゆみ・腫れが現れることがあります。ただの唇の荒れだと思っていた症状が、実は単純ヘルペスウイルスが原因で起こる「口唇ヘルペス」のケースも少なくありません。口唇ヘルペスか判断が難しい場合もあり、自己判断せず医師の診察を受けるのが確実です。痛みや発疹、水ぶくれなどがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れると、肌のうるおいを保つために必要なセラミドや天然保湿因子(NMF)が減少し、唇の乾燥を招きやすくなります。とくに女性は、生理周期や妊娠、更年期などによってホルモンの変動が大きく、その影響でバリア機能が低下し、唇の乾燥や荒れを引き起こすことがあります。また、ストレスや睡眠不足、過度なダイエットもホルモンバランスを乱す要因の1つです。

唇の荒れを招くNG行動

唇の荒れは、日常の何気ないクセや間違ったケア方法が原因となっていることも少なくありません。ここでは、唇のトラブルを悪化させてしまう代表的なNG行動を紹介します。

唇を舐める

唇を舐めると一時的に潤ったように感じますが、実際には乾燥を悪化させる原因となります。唾液が蒸発するときに水分だけでなく油分まで奪われ、唇のバリア機能が低下してしまうためです。
乾燥をしていると無意識のうちに舐めてしまうこともあります。リップクリームを塗ることで、乾燥による不快感を和らげ、舐めようと思う衝動が起きないようにすることが大切です。

唇を触る・噛むクセがある

無意識のうちに唇を噛んだり、触ってしまうクセがあると、摩擦や刺激で唇を傷つけてしまい、荒れる元となってしまいます。
こうしたクセは、ストレスや集中時の緊張がきっかけになることも多いです。唇を噛んだり触ったりしそうになったら、水を飲む・ガムを噛むなど、代わりの行動を意識的に取り入れるとよいでしょう。衝動を抑える効果が期待できます。

リップクリームを間違った方法で塗っている

リップクリームは唇の乾燥対策に欠かせないアイテムですが、使い方を誤ると逆効果になることがあります。例えば、何度も力強く重ね塗りすると摩擦が刺激となり、ひび割れや皮むけを悪化させてしまうことがあります。また、汚れた唇の上からそのまま塗ると、汚れを広げるだけでなく、スティック自体に雑菌が付着し、衛生的とはいえません。リップクリームを塗るときは、縦ジワに沿ってやさしくなじませ、常に清潔な状態で使用することが大切です。使用後はキャップをきちんと閉め、直射日光を避けて保管するようにしましょう。

刺激の強いリップやスキンケア製品を使っている

爽快感や香りのあるリップクリームは人気がありますが、メントールやアルコール、香料など刺激の強い成分が含まれていることがあります。敏感な唇に使用すると、ピリピリとした刺激や皮むけの悪化を引き起こすおそれがあるため、避けたほうが無難です。また、化粧下地やファンデーションなどが唇に触れて、炎症を起こすケースも少なくありません。唇の荒れを防ぐためには、皮膚のバリア機能を守り、刺激を与えないケアを意識することが大切です。唇が荒れているときはもちろん、日常的にも低刺激・無香料タイプを選ぶ習慣をつけましょう。ポイントメイク落としを使うことで、皮膚に負担をかけることなく、すっきりとメイクオフできます。

効果的な予防法とおすすめの生活習慣改善

唇の荒れを防ぐには、外側からのスキンケアと内側からのケアの両方が不可欠です。ここでは、日常生活の中で意識したいポイントを紹介します。

保湿と加湿で乾燥を防ぐ

唇の荒れを防ぐには、こまめな保湿と室内の加湿が基本です。唇専用の保湿リップを朝晩のスキンケアに取り入れ、乾燥が気になる日は日中も重ね塗りを。1日に塗る回数は3〜5回を目安に、食事や歯磨きの後・メイク前・寝る前などに行うと効果的です。就寝前には厚めに塗ってラップパックをするのもおすすめ。室内では加湿器を使い、湿度を50〜60%に保ちましょう。冬だけでなく、冷房による乾燥が気になる夏も同様に、1年を通してケアを続けることが大切です。

栄養バランスを見直し内側からケア

糖質や脂質の多い食事やインスタント食品に偏ると、代謝を助けるビタミンB群が大量に消費され、不足しやすくなります。さらに、インスタント食品は加工の過程で栄養素が失われやすく、こうした食生活が続くと皮膚や粘膜の再生に必要な栄養素が十分に行き渡らなくなります。その結果、唇の荒れやひび割れが起こりやすくなるのです。

野菜、魚、卵、大豆製品などを組み合わせたバランスのよい食事を意識し、とくにビタミンB2・B6・Aを積極的に取りましょう。外側のスキンケアに加えて、体の内側から栄養を整えることが、健康でなめらかな唇を保つためのポイントになります。

こまめに水分補給をする

唇の乾燥は、体内の水分不足とも深く関係しています。寒い季節や、夏場でも冷房の効いた室内に長時間いると、喉の渇きを感じにくくなり、知らず知らずのうちに脱水気味になることがあります。意識的に常温の水や白湯をこまめに飲むようにしましょう。カフェイン飲料やアルコールには利尿作用があり、体内の水分を奪いやすいため注意が必要です。また、冷たい飲み物は体を冷やして血行を悪くし、唇の乾燥をさらに進行させる原因にもなります。

季節ごとのケアポイントを押さえる

春は花粉、夏は紫外線や冷房、秋冬は乾燥や寒さと、季節によって唇への負担は異なります。季節の変化に合わせてケアを見直すことで、唇の荒れを防げます。

春は紫外線量が急激に増加するのに加え、花粉や黄砂などの汚染物質が空気中に多く飛散します。唇のバリア機能が低下しやすい時期のため、低刺激で保湿力の高いリップクリームを選びましょう。外出時はUVカット効果のあるリップを取り入れるのもおすすめです。

夏は強い紫外線と汗・皮脂による刺激で、唇が乾燥しやすくなります。さらに、冷房の効いた室内では水分が奪われやすいため、こまめに保湿を。日中はUVカット機能のあるリップを使用し、夜はたっぷりと保湿して紫外線ダメージをケアしましょう。

秋は気温の低下によって血行が悪くなり、乾燥で唇の角質がたまりやすくなります。季節の変わり目の寒暖差が自律神経のバランスを崩し、肌のターンオーバーを乱すことも要因の1つです。週に1〜2回を目安にリップスクラブでやさしくマッサージし、血行を促しながら古い角質をオフしましょう。ぬるめのお湯で温めたタオルを口元に当てる温感パックも、保湿ケア前の準備としておすすめです。

冬は冷たい外気と暖房の乾燥が重なり、一年の中でも最も唇が荒れやすい季節です。外出時はマスクやマフラーで冷風を防ぎ、室内では加湿器で湿度を50〜60%に保ちましょう。リップクリームは「セラミド」「ワセリン」「シアバター」など複数の保湿成分を含むものを選び、朝・日中・就寝前の3〜5回を目安に塗り重ねるのが効果的です。乾燥がひどいときは、就寝前にたっぷり塗ってラップパックをすると、翌朝しっとりとした唇を保てます。

男女別&年代別「唇が荒れる」対策のポイント

女性

女性はホルモンバランスの変化やメイクによる刺激の影響を受けやすく、唇が乾燥しやすい傾向があります。とくに生理前や更年期など、女性ホルモンの変動がある時期は、唇の水分保持力が低下しがちです。ストレスを溜めず、十分な睡眠と栄養をとることが大切です。保湿力の高い低刺激リップを選び、ビタミンB2・B6を多く含む食材(卵、レバー、納豆など)を積極的に取り入れましょう。

男性

男性は男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発で、全身の乾燥には比較的強い傾向がありますが、唇には皮脂腺がないため乾燥に弱い部位です。近年は男性の美容意識が高まり、「メンズリップ」の使用率も上昇傾向にあります。ネットリサーチのDIMSDRIVEが実施した調査では、30代、40代男性の約半数がリップケア製品を使用していると報告されています。また、髭剃りによる刺激、喫煙や飲酒による血行不良も唇の荒れの一因となるため、生活習慣を見直し、保湿ケアを日常的に取り入れることが大切です。

出典:インターワイヤード株式会社「60.3%が『人前で塗るのに抵抗あり』~ 「リップクリーム」に関するアンケート結果を発表」(2015年実施)
調査対象:全国の男女4,622人対象
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000000692.html

子ども

子どもは唇を舐めたり触ったりするクセが多く、乾燥や炎症を起こしやすい傾向があります。とはいえ、こうしたクセをすぐにやめさせるのは難しいため、ワセリンなどであらかじめ唇を保護しておくと安心です。また、成長期にはビタミンAやビタミンB群の不足も唇の荒れにつながるため、野菜・魚・卵などをバランスよく食卓に取り入れましょう。

高齢者

加齢に伴い、唾液の分泌量が減少し、唇や口内が乾燥しやすくなります。服用している薬の副作用や入れ歯の刺激が影響する場合もあります。唇の乾燥対策には、リップクリームでの外側からの保湿に加えて、ビタミンA・B群を含む食事と、こまめな水分補給を心がけましょう。また、入れ歯が合わずに唇が擦れている場合は、歯科で調整を受けることが大切です。

まとめ|唇の荒れを防ぐために、今日からできること

唇の荒れは、乾燥や紫外線といった外的刺激だけでなく、無意識のクセや間違ったケア、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が重なって起こります。性別や年代、季節によっても原因や対処法は異なりますが、まずは今日からできることを一つずつ実践することが大切です。しっかり保湿して、自分の行動や食習慣を見直し、うるおいのある健やかな唇を育てていきましょう。

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