口の中にプチっとした白いできもの 痛みがなくても注意したい症状と受診の目安

口の中にプチっとした白いできもの 痛みがなくても注意したい症状と受診の目安

この記事では、口の中に現れる白いできもののタイプや原因、対策や受診の目安について解説します。

               
口の中に小さな白いできものができると、「放っておいても大丈夫なのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。代表的な「アフタ性口内炎」をはじめ、口内の粘膜に異常が現れるケースは決して珍しくありません。なかには自然に治るものもありますが、原因によっては早めの受診が必要な場合もあります。

この記事では、口の中にできる白いできものの主な種類や特徴、考えられる原因、セルフケアのポイント、歯科受診の目安まで詳しく解説します。

白いできものの主な種類と特徴(頬・舌・唇)

口の中にできる白いできものには、口内炎をはじめ、外傷や感染、摩擦など、さまざまな原因が考えられます。多くは一時的な炎症ですが、原因を放置すると慢性化したり、治りにくくなったりする場合もあります。症状の特徴を理解し、必要に応じて適切なケアや受診につなげることが大切です。

口内炎

口内炎は、口腔粘膜に炎症が起こる代表的な疾患です。発症部位や原因によって複数の種類があります。なかでも最も一般的なのが「アフタ性口内炎」で、ストレスや疲労などによって免疫力が低下した際に発生しやすく、白い円形の潰瘍(アフタ)が赤く縁取られるのが特徴です。

世界保健機関(WHO)の調べ(※1)では、アフタ性口内炎を含む口内炎は全人口の約25%が罹患するとされており、漢方薬メーカー・クラシエが全国の男女3,213人を対象に行った調査(※2)でも、口内炎の経験がある方は全体の約6割にのぼります。そのうち約1割が「よくできる」、約半数が「たまにできる」と回答しており、幅広い年代に見られる身近な症状であることがわかります。

アフタ性以外にも、入れ歯や矯正器具などの物理的刺激による「カタル性口内炎」、ウイルス感染による「ウイルス性口内炎」、カンジダ菌の増殖による「カンジダ性口内炎」など複数のタイプが存在します。種類によって原因も対処法も異なるため、症状が続く場合は自己判断せず、歯科・口腔外科へ相談することが推奨されます。

口内炎の種類別の特徴や予防法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

外傷

食事中に誤って頬の内側を噛んでしまったり、入れ歯・矯正装置などによる摩擦が続いたりすると、粘膜に傷がつき炎症が起こることがあります。その際、傷の表面に「偽膜(ぎまく)」と呼ばれる白っぽい膜ができることがあります。これは傷を守るための自然な修復反応で、通常は治癒の過程で自然に剥がれ落ちます。

ただし、同じ部分に繰り返し刺激が加わると、炎症が慢性化し、潰瘍が長引く場合もあります。入れ歯や矯正装置が原因の場合は、調整を行わなければ再発を繰り返すため、自己処置ではなく歯科での相談が必要です。患部を清潔に保ち、刺激を避けながら経過を観察しましょう。違和感が続く場合は、早めの受診をおすすめします。

粘液嚢胞

唇や頬の内側を噛むなどの外傷により、唾液腺の管が詰まったり破れたりすることで、唾液が組織内にたまり袋状になったものです。透明から青みがかった半透明の膨らみが特徴で、痛みはほとんどありません。自然に破れて消えることもありますが、再発を繰り返すことも多く、その場合は歯科や口腔外科での切除が検討されます。

口腔扁平苔癬

中高年、とくに女性に多いとされる皮膚粘膜疾患で、白くレース状または網目状に広がる病変が、舌・頬の内側・歯ぐきなどに現れます。痛みを伴うこともあり、症状が長期間続くケースも少なくありません。

原因ははっきり解明されていませんが、自己免疫疾患や金属アレルギーなどが関係しているといわれています。治療はステロイド含有の軟膏で炎症を抑えるのが一般的で、金属アレルギーが疑われる場合は詰め物や被せ物の素材を交換することもあります。診断には組織検査が行われる場合もあります。

白板症

粘膜が硬くなり角化する疾患で、厚みのある白い病変が見られ、こすっても取れないのが特徴です。基本的に痛みはなく、自覚症状もほとんどないため放置されやすい傾向があります。発症は50〜70代に多く、男女比では男性に多いとされています。白板症のうち約3〜14.5%は将来的にがんへ移行するおそれがあるとされており、定期的な経過観察が重要です。    

口腔がん

口腔がんの初期症状として、痛みのない白いできもの(白斑)や、硬いしこりが現れることがあります。口内炎に似た見た目をしていることもあり、出血・しびれ・治りにくい潰瘍などを伴う場合は注意が必要です。

好発年齢は50歳以降で、男女比は約3:2で男性に多く、喫煙・飲酒・義歯の不適合・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染などがリスク因子とされています。早期発見が予後を大きく左右するため、2週間以上治らない口内の異常がある場合は、速やかに歯科口腔外科や耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

白いできものの主な種類と特徴(歯ぐき)

サイナストラクト(フィステル)

歯の根の先に炎症が起きて膿がたまり、その出口として歯ぐきにできる小さなニキビ状の膨らみです。一般的には「フィステル」と呼ばれます。原因の多くは、むし歯の進行や歯の神経が死んでしまったことによる細菌感染です。

痛みはあまり感じないことが多いですが、膿がたまった状態が続くと炎症が慢性化し、骨にダメージが広がるおそれがあります。自然治癒は期待できないため、歯科での診断と適切な治療が必要です。

フィステルの原因や治療法については、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせて読んでみてください。

根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

歯の根の先端(根尖部)に細菌が感染し、炎症が生じる病気です。進行すると、歯ぐきに膨らみや白い膿の出口ができることがあり、噛むと痛む、歯が浮いた感じがするなどの症状を伴います。

主な原因は、むし歯の進行による神経の壊死や、過去に根管治療を受けた歯への細菌の侵入などです。治療には再根管治療、外科的処置(歯根端切除)、場合によっては抜歯が選択されることもあります。再発防止のためにも、定期的な歯科検診が欠かせません。

歯周炎

歯周病が進行し、歯ぐきだけでなく歯を支える骨(歯槽骨)まで炎症が広がった状態です。歯ぐきに膿がたまり、白いできものとして現れることがあります。歯がぐらつく、口臭が強くなるといった症状を伴うこともあります。

歯周炎の主な原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。厚生労働省の調査によれば、15歳以上を対象とした調査では、調査対象全体の約2人に1人が歯周病(歯周ポケットが4mm以上の歯がある状態)に該当するとされており、年齢とともに罹患率が上昇する傾向があります。歯周病は自覚症状が乏しいまま進行するため、定期的な歯科受診と適切なセルフケアが重要です。

歯周炎の原因や治療・予防法については、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせて読んでみてください。

口内フローラと白いできものの関係

口内フローラとは

「口内フローラ」とは、口の中に棲む細菌の集まりのことです。腸内フローラと同じく、善玉菌・悪玉菌・どちらにもなり得る日和見菌の3つに分類され、健康な状態であればこの3種類の菌がバランスよく共存しています。

しかし、歯磨き不足・ストレス・喫煙・糖分の多い食生活などが続くと悪玉菌が増えやすくなり、むし歯や歯周病、口内炎などを引き起こす原因となります。口内のトラブルを防ぐためには、良好な口内フローラを維持することが大切です。

口内フローラと白いできもの・口内トラブルとの関係

口内フローラのバランスが崩れると、悪玉菌が増殖しやすくなり、粘膜への刺激や炎症が起こりやすくなります。例えば、カンジダ菌が過剰に増えると「カンジダ性口内炎」が発症し、白い苔状の斑点として現れます。また、歯周病菌が増えることで歯周炎が悪化し、歯ぐきの腫れや膿、白いできものが見られる場合もあります。

このように、白いできものや繰り返す口内トラブルは、粘膜の問題だけでなく、細菌のバランスの乱れが背景にあるケースも少なくありません。見た目や痛みだけで判断せず、口内環境全体を整える視点も重要です。

口内フローラを整える方法

口内フローラを健やかに保つためには、毎日のセルフケアに加えて、生活習慣全体を見直すことが大切です。次のポイントを意識して、口内環境のバランスを整えましょう。

・オーラルケアの徹底
歯ブラシに加え、フロスや歯間ブラシを使って歯間の汚れも除去しましょう。舌ブラシで舌苔をケアすることも、細菌の増殖を抑えるうえで効果的です。

・唾液分泌を促す習慣
よく噛んで食べる、水分をこまめに補う、ストレスをためないなど、唾液の分泌を促す工夫が口内環境の安定につながります。

・食生活の工夫
発酵食品や乳酸菌を含む食品は、善玉菌の働きをサポートします。一方で、砂糖や加工食品の摂りすぎは悪玉菌の増加を招くため、摂取量に注意が必要です。

・定期的な歯科検診
セルフケアでは気づきにくいトラブルを早期に発見でき、むし歯や歯周病の予防にも役立ちます。プロによるクリーニングは、細菌バランスの維持にも効果的です。

予防のために今日からやるべき・やめるべきこと

今日からできること・やるべきこと

口の中のできものや炎症を防ぐためには、口内環境を清潔に保つとともに、生活習慣を整えることが大切です。以下では「オーラルケア」「睡眠」「食事」「ストレス軽減」に分けて、それぞれのポイントをご紹介します。

オーラルケア

歯磨きは1回3分を目安に、歯と歯ぐきの境目、歯間など細かい部分まで丁寧に磨きましょう。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけるおそれがあるため、毛先をやさしく当てて小刻みに動かすのがポイントです。デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、磨き残しを防ぎ、細菌の繁殖を抑えられます。

睡眠

十分な睡眠は免疫力の維持に欠かせません。1日7〜8時間を目安に睡眠時間を確保しましょう。朝に日光を浴びて体内時計を整え、夜はスマートフォンやパソコンを控えることで、自然な眠気を促すことができます。照明を暖色系に切り替えるのも効果的です。

食事

栄養バランスの乱れは、口内粘膜の抵抗力を低下させる原因になります。とくにビタミンB2・B6・Cは、粘膜の修復を助ける重要な栄養素です。ビタミンB2はレバーや卵、ビタミンB6はまぐろや鶏むね肉、Cはブロッコリーや柑橘類に多く含まれています。これらを意識的に取り入れ、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

ストレス

ストレスは免疫力を低下させ、口内炎を悪化させる原因の1つです。ウォーキングやヨガ、サイクリングなど、息が上がらない程度の運動を習慣にするとよいでしょう。さらに、ぬるめのお湯での入浴や深呼吸、好きな音楽を聴くなど、自分に合ったリフレッシュ法を見つけることが、心身の健康を保つうえで大切です。

今日からやめるべきこと・NGなこと

口内のトラブルを防ぐためには、「やること」だけでなく「やめること」を意識することも大切です。日々の習慣の中に潜むNG行動を見直し、口内トラブルが起こりにくい環境を整えましょう。

偏った食事

栄養バランスの崩れは、口内粘膜の抵抗力を下げ、口内炎や白いできものの原因になります。とくにビタミンB2・B6・Cの不足は炎症を招きやすいため注意が必要です。「主食(ごはん・パンなど)」「主菜(肉・魚・卵・豆製品など)」「副菜(野菜・きのこ・海藻など)」がそろった食事を意識し、ビタミンやミネラルをバランスよく取り入れましょう。

夜更かし・寝る前のスマホ利用

夜更かしや就寝前のスマートフォン利用は、自律神経の乱れを引き起こし、睡眠の質を低下させる原因になります。質の悪い睡眠は免疫力を下げ、口内炎の治りを遅らせる要因にもなるため、就寝前1時間は画面を見るのを控えるのが理想的です。照明を落とし、リラックスできる環境を整えることで、心身が自然に休息モードへ切り替わりやすくなります。

喫煙習慣

喫煙は口内の血流を悪化させ、粘膜を刺激して炎症を起こすリスクを高めます。さらに、唾液分泌の低下や免疫機能の衰えなど、口内環境にさまざまな悪影響を与えます。禁煙を始める際は、水を飲む、キシリトールガムを噛むなど、口寂しさを紛らわせる工夫をすると継続しやすくなります。

痛くない白いできものや長引く場合は要注意! 受診の目安・サイン

口の中に白いできものが現れても、痛みがないと放置してしまう方も少なくありません。一般的な口内炎であれば1〜2週間ほどで自然に治まることが多いですが、次のような症状が見られる場合は注意が必要です。

<受診を検討すべきサイン>
  • 2週間以上治らない
  • 徐々に大きくなっている
  • 硬くしこりのように感じる
  • 出血を伴う
  • 潰瘍が改善しない
これらの症状は、口腔がんや前がん病変である白板症など、重篤な疾患のサインであるおそれがあります。異変を感じたら自己判断せず、歯科・口腔外科や耳鼻咽喉科を早めに受診しましょう。とくに、重篤な疾患が疑われる場合は、専門的な診断と治療が可能な歯科・口腔外科の受診がおすすめです。

これも関係!? あわせて発症しやすい症状

口内に白いできものができるとき、肌荒れやニキビなどの皮膚トラブルが同時に現れることがあります。とくに、ビタミンB2やビタミンB6の不足は粘膜や皮膚の健康維持に深く関わっており、不足すると口内炎や口角炎、肌荒れなどを引き起こしやすくなります。

また、疲労やストレス、睡眠不足による免疫力の低下も、口内や皮膚のトラブルを悪化させる原因になります。さらに、歯周炎など歯ぐきの炎症を伴う場合は、「歯ぐきの腫れ」「出血」「口臭」といった症状が見られることもあります。

「最近、口内炎が治りにくい」「歯ぐきの調子が悪い」「肌荒れが続いている」と感じるときは、栄養バランスや生活習慣を見直すとともに、歯科でのチェックも検討しましょう。

まとめ|白いできものは体からのサイン。見逃さず、早めの対処を

口の中にできる白いできものは、体調や生活習慣の乱れを映すサインかもしれません。自然に治ることもありますが、原因によっては注意が必要です。

痛みがない場合でも、長引いたり繰り返したりするようであれば、自己判断で放置せず医療機関を受診しましょう。早めに歯科や口腔外科を訪れることで、重症化を防ぎ、健康な口内環境を維持することにつながります。

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