歯周病や体のトラブルにも影響する口内環境とは?改善方法や毎日の口内ケアを解説

歯周病や体のトラブルにも影響する口内環境とは?改善方法や毎日の口内ケアを解説

(2024年3月27日更新)
口内環境が悪化するとむし歯や歯周病になり、体のさまざまなトラブルまでも引き起こすと言われています。本記事では、口内環境が歯や口、さらに全身の健康に与える影響や、歯周病が関係する病気などについて解説します。また、口内環境を改善するための生活習慣と効果的な口内ケアについてもくわしく紹介します。

               

口内環境が悪い状態とは

口内環境が悪いとは、一体どういう状態でしょうか。
口内のトラブルであるむし歯や歯周病は、口内環境が悪化することで引き起こされます。
口内環境が悪化すると唾液の分泌量が低下し、口内の細菌が増えてしまいます。例えば口臭や口の中のネバつき、歯ぐきの出血などは、細菌が増えているサインとなります。
口の中のネバつきや歯ぐきからの出血については、次の記事で詳しく解説しています。

口内細菌のバランスの乱れが口内環境を悪くする

腸内と同じように、口内にも善玉菌と悪玉菌、どちらにもなる日和見菌が存在しています。それらの菌がバランスを保っているときは、口内の健康も維持されている状態です。
しかし、ケアが不十分だとバランスを崩して悪い細菌が増えてしまい、むし歯や歯周病、口内炎を引き起こすことがあります。

口内環境とむし歯の関係

口内環境が悪化した場合に起こりえる口内トラブルの一つがむし歯です。
むし歯は、むし歯原因菌の繁殖に伴って口内が酸性化することにより、歯が溶かされ続けてしまい、穴が開いてしまうことによって起こります。
本来であれば、唾液には酸性化した口内を中和する力があり、少し溶けた歯を元に戻す力があります。
しかし、口内環境が悪くなることで、むし歯菌が多く繁殖したり、唾液の量が少なくなったりすることで、一度溶けてしまった歯がなかなか修復できず、虫歯が進行してしまいます。

口内環境と歯周病の関係

口内環境と関連の深い口内トラブルのもう一つが歯周病です。歯周病も、歯周病原因菌の繁殖によって起こります。
飲食によって口内に付いた食べかすや糖質が口の中に残っていると、これを栄養に歯周病菌が繁殖していきます。この繁殖した細菌が固まりとなったのが歯垢(プラーク)です。
細菌は歯垢のなかでますます繁殖をしていきながら、歯ぐきに炎症を起こし、ダメージを与えていきます。このダメージにより、歯と歯ぐきの間に隙間ができていき、さらにその中に細菌が溜まっていくことで歯ぐきがよりダメージを受ける悪循環が生じます。
歯周病が進行すると、影響は歯ぐきに留まらず、歯の根元の骨にまでダメージを与えてしまい、いずれは歯が抜けてしまいます。
適切なオーラルケアで口内環境が整っていれば歯周病菌の繁殖を防げますが、唾液が少なかったり、食べかすが残っていたりして、口内環境が悪い状態になっていると、細菌が繁殖し、歯垢が蓄積しやすくなってしまいます。

歯周病は体のトラブルにも関係する

唾液に含まれる細菌は、口に入れた食べ物と一緒に胃や腸へ流れていきます。歯周病で歯ぐきに炎症が起きている場合は、歯周病菌が血管を通って体内へ入り込む可能性も。歯周病菌が体内に広がったときに関係する体のトラブルには次のようなものがあると言われています。

①心臓・脳疾患

歯周病と心疾患・脳疾患は関係があるとされています。炎症を起こした歯ぐきから歯周病菌が血管に侵入すると血栓が作られ、血管を詰まらせることがあるのです。そのため歯周病にかかっている人は、心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞になりやすいと言われています。

②呼吸器系疾患

唾液や食べ物に含まれた細菌が肺に入り込み、炎症を起こす肺炎を誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と言います。これは喉の筋力が低下した高齢者などがかかりやすい病気です。誤嚥性肺炎を起こした肺からは、高い頻度で歯周病の原因菌が見つかることから、歯周病との関連性が指摘されています。

③糖尿病

糖尿病はさまざまな合併症を招くことで知られていますが、歯周病もその1つであるとされてきました。さらに最近の研究では、歯周病が重症化すると糖尿病が悪化することも明らかになっています。

歯ぐきから血管内に侵入した歯周病菌が、血糖値を下げるインシュリンの働きを抑制するため、血糖値が上昇してしまうのです。また歯周病を治療すると糖尿病も改善が見られるなど、相互に影響し合うことが分かっています。

④消化器系疾患

歯周病菌は、食べ物や唾液と一緒に胃や腸へと流れていきます。歯周病菌には、胃炎や胃潰瘍を誘発するピロリ菌に似た菌がいるため、腹痛や下痢、嘔吐などを引き起こすケースがあるのです。また、歯周病により腸内環境が乱されることで、全身の健康に影響が及ぼされるとも言われています。

口内環境改善のための生活習慣

口内環境を改善するには、歯磨きなどの口内ケアも重要ですが、日常の生活習慣にも気を配ることが大切です。ここでは、日常生活の中で、口内環境を改善するための生活習慣を紹介します。

繊維質の多いものや乳酸菌食品を摂る

唾液は口の中を中性に保ってむし歯を防いだり、歯周病菌の増殖を抑えたりする働きがあります。だからこそ、唾液の分泌を促すことが大切です。そのためには食物繊維を多く含む食材を多めに摂り、しっかり噛んで食べましょう。反対にあまり噛まずに済むやわらかいものばかり食べていると唾液の分泌が減ってしまいます。

また乳酸菌などの善玉菌を含む、ヨーグルトなどの食品を食べる人は、歯周病にかかるリスクが低いという報告もあります。これは善玉菌である乳酸菌が、口内の悪玉菌の増殖を抑えていることが関係していると考えられているようです。口内環境を良くするためにも、乳酸菌食品を積極的に摂りたいものですね。
ヨーグルトが持つ歯周病への効果については、こちらの記事で詳しく解説しています。

喫煙を控える

喫煙は唾液の分泌を抑制するため、むし歯菌や歯周病菌が増殖しやすくなります。また喫煙は、口臭や歯ぐきの黒ずみの原因の1つです。煙草に含まれるニコチンによって歯ぐきの血管が収縮して酸素が行き届かず、歯ぐきの抵抗力が弱くなることも指摘されているので注意しましょう。

疲れやストレスをためない

口内はストレスが表れやすい場所です。過度なストレスで口が乾いて唾液が少なくなり、むし歯や歯周病になったり、口臭が強くなったりします。口内環境を整えるためにも睡眠を十分取り、疲れやストレスをためないようにしましょう。

口内環境改善のための口内ケア

歯周病を予防するためには、毎日しっかりと口内ケアをすることが大切です。最後に、より効果的に歯周病予防をするためのポイントを紹介します。

歯間ブラシやデンタルフロスを使う

歯周病を予防するには、歯ブラシだけで十分とは言いきれません。歯間ブラシやデンタルフロスを活用して、歯ブラシでは取れない歯と歯の間の汚れや歯垢を取り除くことが大切です。歯間ブラシは歯の隙間に合わないものを使うと、歯ぐきを傷める場合があるので、自分に合うサイズのものを選びましょう。

殺菌力のある歯磨き粉やマウスウォッシュを使う

歯ブラシと歯間ブラシなどで歯垢や汚れを落としたら、マウスウォッシュで口をゆすぎましょう。歯周病の原因菌を殺菌する歯磨き粉やマウスウォッシュを使用すると、より効果的です。原因菌を殺菌することで、歯ぐきへの歯周病菌の侵入も防げます。

歯科医院で定期検診や歯のクリーニングを受ける

毎日しっかりと歯磨きをしていても、やはり歯石ができてしまいます。歯石は、セルフケアでは取れないため、歯科医院で除去してもらうのがおすすめです。歯の定期検診を受けるようにすれば、むし歯や歯周病も早期発見ができて、病気の予防にもつながります。

唾液検査【シルハ(SillHa)】で口内環境をチェックする

自分に合ったむし歯・歯周病予防をしたい場合は、口内環境をチェックできる唾液検査がおすすめです。唾液検査では、自分の口内環境が数値化され、むし歯の原因や歯周病になるリスクが分かります。歯科医師などの専門家からセルフケアの改善点などをアドバイスしてもらえるメリットもあります。

「シルハ(SillHa)」は10秒口をすすぐだけで、自分の口内環境が分かります。5分後に測定結果が得られる、簡単で迅速な唾液検査です。全国の歯科医院などで検査を受けられます。近くの医療機関に確認して検査を受け、自分の口内環境について知りましょう。
シルハが体験できる歯科医院はこちらで検索をすることができます。

生活習慣や口内ケアを見直して、口内環境を整えよう

口内環境が整っていないと、むし歯や歯周病になったり、体のさまざまなトラブルを引き起こしたりします。生活習慣や毎日の口内ケアを見直して口内環境を整え、体の健康も維持しましょう。

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