唇が荒れる原因は? NGなクセやリップケアのポイントを解説

唇が荒れる原因は? NGなクセやリップケアのポイントを解説

マスクオフの機会が多くなり口元がひと目に付くようになりました。これまでのマスク生活で、リップケアを怠っていたという方や、マスクによる摩耗で唇が荒れているという方も多いのではないでしょうか。
とくにこれからの季節は、紫外線や暑さによる水分不足などでの唇荒れにも注意が必要です。
この記事では、唇が荒れる原因について解説し、予防法や荒れた時のケアについてご紹介いたします。

               

唇が荒れる原因と予防法

唇はもともと皮膚の表面にある角層が薄くなっています。角層には、乾燥や紫外線などの外部刺激から体を保護する役割があります。そのため、角層の薄い唇は、他の部位の皮膚に比べて荒れやすいのです。また、唇は汗腺と皮脂腺がありません。そのため、皮膚表面を保護して保水する機能がある皮脂膜が作られないことも、荒れやすい理由です。
唇が荒れる原因はさまざまであるため、原因にそって適切なケアが必要です。
唇が荒れる原因と予防法をそれぞれ解説していきます。

栄養不足

食生活の乱れや無理なダイエットなどによる栄養不足が原因で、唇が荒れてしまっているかもしれません。唇の組織は頻繁に作り替わっており、3〜4日で新しくなります。しかし、栄養不足だと皮膚組織の形成に必要な栄養素が不足し、唇が荒れる原因となります。

予防法

唇の組織を作るためのタンパク質や、エネルギー源となる炭水化物、ビタミンの摂取が必要です。
摂取が必要なビタミンの種類は、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12です。これらのビタミンを効率良く摂取するため、バランスのよい食事に加えて、下記の食材を意識的に摂るようにしましょう。
【ビタミンAやビタミンB群が豊富に含まれる食材】
  • ビタミンA:レバー、ウナギ、マグロ、卵黄
  • ビタミンB1:豚肉、ナッツ、大豆、ほうれん草
  • ビタミンB2:豚レバー、アーモンド、納豆
  • ビタミンB6:カツオ、バナナ
  • ビタミンB12:しじみ、あさり

マスクなどによる接触刺激

マスクなどが唇に繰り返し接触することも唇が荒れる原因です。長いマスク生活により、マスクと唇が擦れ、荒れてしまったという方もいるのではないでしょうか。マスク以外にも、唇を触わったり、なめたりする行為も唇が荒れる原因となるため、クセになっている方は注意が必要です。

予防法

マスクの着脱時には、唇を擦らないように注意しましょう。
マスクを着脱する頻度を少なくするのも方法の1つです。マスクを頻繁に着脱すると、唇を刺激するだけでなく、マスクに付いたウイルスを口内に運んでしまい、感染予防にも逆効果となるおそれがあります。

紫外線

肌に強い刺激を与える紫外線は唇にも刺激が強いです。皮膚にはメラノサイトという細胞があり、この細胞がメラニンを作ることで紫外線から肌を守っています。唇は、他の皮膚に比べてメラノサイトが少ないため、紫外線によるダメージを受けやすく、唇が荒れる原因となります。

予防法

肌の紫外線対策はしていても、唇には対策していない方も多くいます。
しかし、唇は皮膚よりも刺激に弱いのでなおさら対策が必要です。リップには紫外線対策の効果があるものもあります。外出時には、このようなリップを使うと良いでしょう。

乾燥

唇が荒れる原因のひとつに乾燥があります。冬場はとくに空気が乾燥する季節ですが、空調をよく使う時期も、屋内の空気が乾燥して唇が荒れやすくなります。
唇の皮膚は他の皮膚と比べて角層が薄い分、水分が蒸発しやすく保水が難しいため、乾燥の影響を受けやすい部位です。
また、唇への接触刺激や、口呼吸、ドライマウスなども唇が乾燥する原因となります。
口呼吸は、唇に何度も風があたることと同じため、乾燥を進めてしまいます。
また、ドライマウスの状態では唾液の分泌が少なくなっています。唾液には、実は唇を潤す役割もあります。そのため、ドライマウスになると唇が乾燥してしまうのです。

予防法

乾燥対策には唇の保湿が大事です。リップなどを活用することで唇を保湿することができます。また、できるだけ唇に触れないようにしてみましょう。メイクオフのときも擦らないようにするのがポイントです。
口呼吸対策には、ガムを噛んで口が自然と閉じるようにするのも一つです。睡眠中の口呼吸を防止する専用のテープもあります。
ドライマウスの場合には、まずはドライマウスの原因を特定し、原因に合わせた対策が必要です。唾液の分泌を促すには、唾液腺マッサージやこまめな水分補給も有効です。

唇が乾燥する原因と対処法はさまざまです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「唇の乾燥は病気の可能性もある! カサカサの原因5つと対処法を紹介」

感染症

唇は感染症にさらされやすい組織です。感染症の代表例に口唇ヘルペスがあります。口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスの感染によって引き起こされる病気で、唇やその周囲にかゆみや痛みなどの症状が現れます。ヘルペスウイルスは、一度感染すると消滅することはなく、体調不良や寝不足などで体の免疫が低下したときに再発するという特徴があります。

予防法

体の免疫が低下すると感染や再発のおそれがあるため、疲労やストレスを溜め込まないようにしましょう。栄養バランスの整った食事も大切です。
もしも家族や自分が感染してしまった場合には、他の人に感染を広げてしまうおそれがあります。患部には触れないようにして、家庭内で感染が広がらないよう食器やタオルを分けるなどの感染対策が必要です。

口唇ヘルペスについての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
「唇がヒリヒリする原因は口唇ヘルペス? 治療と予防のポイント」

ストレス・疲労

疲労の蓄積や過度なストレスは、前述のように免疫を低下させて感染症に罹りやすくしてしまうだけではありません。唇に必要な栄養素が全身で消費されてしまう上、血行不良にもつながります。すると、十分な栄養や酸素が唇まで届かず、唇が荒れる原因となります。

予防法

ストレスを溜め込まず、睡眠をしっかりとって体調を整えることが大切です。適度な運動は疲労改善やストレス発散にもつながります。運動習慣がない場合は、ウォーキングやストレッチなどの軽めな運動を取り入れましょう。

これはNG! 唇が荒れるクセ・ライフスタイル

唇が荒れるのは、日頃の何気ないクセが原因となっている場合があります。また、普段の食習慣が栄養の偏りやストレスの元となっている場合もあります。ここでは、唇が荒れる原因となるクセやライフスタイルをご紹介します。

唇をなめる

一度唇が乾燥すると、保湿をしようと思い唇をなめる方もいるのではないでしょうか。唇をなめる行為は、それ自体が唇を物理的に刺激することになり、さらになめた時の水分が蒸発して乾燥しやすくなってしまいます。そのため、かえって唇が荒れる原因となります。
唇をなめるクセがある方は、乾燥した唇を潤そうとして、ついなめてしまっている場合があります。そのため、唇の保湿をして乾燥を防ぐことでクセも解消される場合があります。また、歯並びや噛み合わせの悪さが原因で唇をなめるクセが付いているケースもあります。その場合には、歯列矯正などで改善できれば自然とクセもおさまることが考えられます。

唇を触る

会話をしているときや考えごとをしている時に、つい唇を触ってしまうクセのある方は注意が必要です。唇に触れて刺激を与えることはNG行為ですが、それだけではなく手指はさまざまなところに触れており不衛生なケースもあります。
唇を触るクセの解消には、爪噛みクセを改善するネイルを使うのも有効です。唇を触ることで苦味成分などが唇につくため、次第に唇を触るクセが解消されています。

偏食・過食・多飲

バランスのとれた食生活は唇に関わらず全身の健康の基本です。偏食などでタンパク質やビタミンが不足すると、唇の組織を作る栄養素が不足してしまい、唇が荒れる原因となります。また、炭水化物やアルコールの摂取量が多くなると、代謝に必要なビタミンが大量に消費されます。
肉・魚・野菜類をバランスよく摂取したいですが、なかなか自己管理だけでは難しいものです。そのため、食事管理のアプリを使ってみるのもおすすめです。食事内容を記録すると栄養バランスがデータ化されるものや、写真をとってアップロードすると自動でカロリーを計算し栄養バランスを分析してくれるタイプなどもあり便利です。

唇の荒れを予防! リップの正しい使い方

唇の荒れを予防するには、リップを活用するのが望ましいです。しかし、リップは正しく使わないとかえって唇を荒れさせてしまう場合があります。ここでは、リップの正しい使い方について解説します。

シーンに合わせて使い分ける

リップにはさまざまな製品があり、添加されている成分は用途によって異なります。
外出時には紫外線対策ができるリップ、就寝時には保湿ケアができるリップやワセリンなど、シーンに合わせて使い分けるようにしましょう。
また、唇が荒れている場合には薬用タイプ、日常のケアや保湿などが目的の場合は薬用でないタイプを使うなど、唇の状態に合わせたリップを使用しましょう。

塗る回数は1日5回程度に留める

リップにはさまざまなメリットがありますが、リップを塗ること自体が接触刺激になります。唇の荒れが気になるからといって、過剰に塗りすぎるのもよくありません。1日5回程度が目安です。

使う前に温める

リップを使用する前に手で少し温めてあげるとよいでしょう。固形タイプのリップは接触刺激が強くなります。温めることで柔らかくなるため、唇に塗りやすくなり接触刺激を緩和できます。

縦に塗る

唇は縦にシワが入っているため、リップもまずは縦方向に塗るようにしましょう。シワに合わせて塗ることでムラを抑えて少ない回数で塗ることができます。仕上げに横方向に塗ってムラをなくすようにすると良いでしょう。
何が違う? 医薬品と化粧品のリップ

リップには、医薬品のリップと化粧品のリップがあります。
医薬品のリップには、炎症などを抑えて唇のトラブルを改善するための成分が含まれています。医薬部外品に分類されるリップも、医薬品ほどの効果はありませんが、症状が現れる原因を予防する効果があります。
一方、化粧品のリップは保湿や着色などを目的とした成分が含まれており、唇の荒れを改善する用途とは異なります。

唇が荒れてしまったら おすすめの対策

唇が荒れてしまった場合、一番は皮膚科に相談することがおすすめの対策です。とりあえずの対策をおこなうと荒れた状態が悪化してしまう場合もあるためです。
口元は人目につきやすい部分であり、見た目の印象にも大きく影響します。また、唇がひどく荒れると飲食にも支障をきたし、全身の健康にもつながりかねません。唇が荒れた原因がしっかり判明してから、原因に合わせて適切な対策を取るようにします。
唇の荒れや炎症を抑えるためには、医薬品のリップも効果があります。効果効能は製品によってさまざまなので、医薬品のリップを購入する際には薬剤師に相談しましょう。

まとめ 荒れる原因に合わせて適切なリップを活用しよう

唇が荒れる原因はさまざまです。原因に合わせて適切な予防を行うことで荒れを防止できます。リップにも製品によって配合成分に違いがあり、シーンや唇の状態に合わせて使い分けをすると効果的です。間違ったケアを行うと逆効果となるおそれもあります。
マスクオフ生活でのリップケアの参考になれば幸いです。

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