口の中がザラザラするのはなぜ?ザラザラ感の原因・対処法・予防法を解説

口の中がザラザラするのはなぜ?ザラザラ感の原因・対処法・予防法を解説

ふと舌で口の中を触ると、ザラザラしていると感じることがあります。口の中がザラザラしている時に考えられる病気や対処法などを解説します。

               
舌で口の中を触った時に、粘膜や歯の表面がザラザラしていると感じることがあります。何か重大な病気が隠されているのではないか、と気になる方もいるかもしれません。なぜこうした症状が起こるのでしょうか。この記事では、口の中がザラザラと感じる理由とその対処法を解説します。

歯の表面がザラザラする原因

歯の表面がザラザラする理由として、以下の4つが考えられます。

歯垢(プラーク)や歯石が蓄積している

歯垢とは、歯の表面に付着した細菌が増殖して、白くネバネバした塊になったものです。歯垢をそのまま放置していると、唾液に含まれているカルシウム成分と結合して固まり、歯石ができます。歯石は石のように硬い塊で、自分で取ろうとしても取れません。歯の表面に頑固にこびりついてザラザラ感が強くなります。

むし歯がある

歯の表面は、エナメル質という硬い組織で覆われているので、本来はツルツルとしています。しかし、むし歯になると、エナメル質が溶かされて、歯の表面が白っぽくザラザラとした質感になることがあります。

歯の表面に傷がある

歯の一番外側を覆うエナメル質は、人体の中でもっとも硬い組織といわれていますが、意外と繊細です。市販のうたう歯磨き粉のほとんどには研磨剤が含まれていますが、中には研磨力が強いものもあります。研磨力が強い歯磨き粉を使って過度な力を入れて磨くと、エナメル層を傷つける原因となるので要注意です。目に見えない小さな傷でも、舌で触れた際にザラザラ感が気になることがあります。

歯ぎしり・食いしばりにより歯が欠けている

歯ぎしりや歯の食いしばりによって歯にかかる負担は、思っている以上に大きいものです。強い力がかかり続けることで歯に穴が空いたり、すり減ったりすることがあります。その部分に触れた時に、ザラザラとした舌触りを感じることもあるでしょう。

口の粘膜がザラザラする原因

口の粘膜がザラザラする理由としては、次のようなものが挙げられます。

口の中が乾燥している

唾液が不足して口の中が乾くと、口内の細菌や食べかすが洗い流されず、頬の内側や舌の表面に汚れがこびりついて、ザラザラしたりネバネバしたりすることがあります。
放っておくと、味覚や食感などにも影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
口の中の潤いを保つために、乾燥予防に努めましょう。

口内炎ができている

口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症の総称です。頬の内側、舌、歯ぐきなどに炎症が発生し、ザラザラと荒れてきたり、白くただれたりして、しばしば痛みを伴います。
口内炎の原因は、疲れやストレス、栄養不足、口の中を噛むなどの物理的刺激、生活習慣の乱れなどさまざまです。
通常は1~2週間で自然治癒しますが、2週間以上続く場合は別の病気が隠れている可能性もあります。症状が長引く時は、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科を受診しましょう。

口腔異常感症と診断されることも

口腔異常感症とは、見た目や検査で異常が認められないにも関わらず、口内に痛みやしびれ、ザラザラ感やヒリヒリ感などを訴える疾患です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、過度の不安やストレスなど心因的な要因が引き金になっていると考えられています。
一般的な歯科や口腔外科を受診しても異常がないといわれるケースも多く、症状を理解してくれる医療機関を探すことが大切です。一部の歯科、口腔外科、精神科、心療内科で治療が行われています。

口の中がザラザラする時の対処法

ここでは、口の中がザラザラして困った時の対処法をご紹介します。

水を飲む・うがいをする

口の中が乾燥して粘膜がザラつくのを解消するのに、体の外から水分を補うのは手軽で即効性の高い対処法です。口の中がザラザラするのを感じたら、まず水を飲むか、うがいをして口の中を潤しましょう。

毎日のセルフケアを見直す

歯の表面がザラザラしたら、セルフケアを見直すサインかもしれません。歯ブラシを基本に、洗口液、歯間ブラシ、デンタルフロスを使用して、ザラザラの原因となるむし歯の発症や、歯石、歯垢の蓄積を防ぎましょう。

歯科医院で適切な治療を受ける

歯周病やむし歯で歯がザラザラしている場合は、歯科医院での適切な治療が必要です。初期むし歯の場合は、歯科医師や歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアで口の中を清潔な状態に保ち、フッ素などで歯の再石灰化を促すことでザラザラ感を改善できる可能性があります。

歯周病の場合は、ザラザラの原因となる歯垢や歯石が蓄積していると考えられます。蓄積したこれらを歯科医院で除去してもらうことで、歯周病とザラザラ感の改善が期待できます。

ビタミンB群を多く含む食べ物を積極的に摂取する

口内炎による粘膜のザラつきを早く治したい時に、有効な栄養素がビタミンB群です。とくにビタミンB₂、B₆には皮膚や粘膜を保護し、健康維持を助ける働きがあります。ビタミンB群を多く含むレバーやうなぎ、マグロなどを積極的にとりましょう。食事だけで摂取するのが難しい場合、サプリメントで補給するのも1つの手段です。

他にもビタミンB₂やB₆を多く含む食材は多くあります。こちらの記事で詳しくご紹介しています。

口の中がザラザラするのを予防するには?

口の中がザラザラするのを予防する方法として、以下が挙げられます。

ブラッシングを念入りに行う

口の中のトラブルを未然に防ぐためには、口内を清潔に保つようケアする必要があります。基本となるのは、毎日の歯磨きです。ブラッシングを丁寧に行い、汚れをしっかり取り除きましょう。

酸性度の高い飲食物を控える

歯の表面を覆うエナメル質は、酸に弱い性質があります。普段から酸性度の強い食品を多く口にしていると、エナメル質が溶け出して歯の表面がザラザラする可能性があります。
酸性度の高い食品には、炭酸飲料や柑橘系のフルーツ、お酢などがあります。そのため、酸性度の高い食品を過度に摂取することは控えるのが無難です。

一方で、お酢などの一部の食品は健康効果も高いため、食生活に取り入れるメリットも大きいです。もしこのような食品を摂取した場合は、水を含んだりうがいをしたりして口の中の酸性度を中和するといいでしょう。

定期的に歯科医院へ行く

歯周病や虫歯で歯がザラザラしている場合は、もちろん治療が必要となりますが、大きなトラブルを防ぎ、歯の健康を守るためには歯科医院での定期的なメンテナンスが効果的です。毎日のセルフケアだけでは歯垢をすべて取り除くことはできません。歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで、予防効果がより高まります。

こまめな水分補給を心がける

歯と口の健康を守るためには、常に潤った状態に保つことが大切です。乾きを感じる前に、こまめな水分補給を心がけましょう。
一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯(150~250 ml)程度の量を1日6~8回に分けて飲むのがおすすめです。
ジュースやスポーツドリンクなどの糖質を多く含むものは、むし歯や歯周病のリスクが上がるので、基本的には水かお茶を飲みましょう。

口呼吸に注意する

口で呼吸をする「口呼吸」が続くと、口の中が乾燥してザラザラ感を引き起こしやすくなります。意識して鼻呼吸に切り替えましょう。口呼吸から鼻呼吸に切り替えるトレーニングを行うと、自然と鼻呼吸ができるようになります。

口呼吸を鼻呼吸へ改善する「あいうべ体操」

あいうべ体操とは、内科医の今井一彰医師が考案した、口呼吸を鼻呼吸に変える体操です。その名のとおり「あー・いー・うー・べー」と大きく口と舌を動かして行います。口元の筋肉を鍛えることで、自然に口が閉じ、鼻で呼吸できるようになります。
●あいうべ体操のやり方
  1. 「あー」大きく口を開ける
  2. 「いー」首に筋が張るくらい、口を大きく横に広げる
  3. 「うー」タコのように唇をすぼめて、前に強く突き出す
  4. 「ベー」あごの先を目指して、舌をしっかり下に伸ばす
1から4までを1セットとして、毎食後10セット、1日30セットを目安に行いましょう。

規則正しい生活を送る

歯周病や口内炎には生活習慣が大きく影響していると考えられています。バランスのとれた食事、禁煙、十分な睡眠、適度な運動など、規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

口の中のザラザラ感で注意したい徴候

口の中のザラザラ感は、口腔がんなどの重篤な病気が原因であることも稀にあります。自身での見極めが難しいため、2週間以上、ザラザラ感が続く時は、早めに診察を受けるようにしましょう。

まとめ 口の中のザラザラが改善しないときは医療機関で相談しましょう。

さまざまな理由で口の中がザラザラすることがあります。そんな時は今回ご紹介した、対処法・予防法を試してみましょう。それでも改善しない場合は、思わぬ病気が隠れているかもしれません。2週間以上経過しても症状が続く場合は、医療機関への受診をご検討ください。

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