「子供のむし歯(虫歯)を予防したい」ならフッ素入り歯磨きがおすすめ。働きや効果的な使い方を紹介

「子供のむし歯(虫歯)を予防したい」ならフッ素入り歯磨きがおすすめ。働きや効果的な使い方を紹介

むし歯になりやすい子どもの歯は、むし歯予防に効果的とされるフッ素配合剤などを使用して、しっかりとケアしてあげたいですよね。本記事では、フッ素の働きやフッ素配合歯磨き剤の取り入れ方など、むし歯を防ぐために気を付けることを紹介します。

               

むし歯(虫歯)を予防するフッ素の働き

フッ素には歯質を強化したり、むし歯の原因菌の働きを抑制したりする効果があると言われています。まずはフッ素の働きについて解説します。

フッ素の働き①歯質を強くする

フッ素は歯の結晶を構成するカルシウムの結合を強化し、歯質を強くします。歯質が強くなることで、むし歯への抵抗力も高くなるのです。

フッ素の働き②細菌の働きを弱める

歯垢の中に取り込まれたフッ素は、むし歯の原因菌が作る酸の産出を抑え、むし歯から歯を守ります。

フッ素の働き③初期むし歯を修復できる

フッ素には、酸により歯から溶け出したリンやカルシウムを補う、再石灰化を促進する働きもあります。そのため、初期むし歯はフッ素を活用し、再石灰化を促進すれば修復できます。しかし初期むし歯の修復には半年~1年ほど、時間が必要です。初期むし歯は自分では気づきにくいため、定期的に歯科医院を受診して、フッ素塗布をしてもらいましょう。

むし歯(虫歯)予防にフッ素を取り入れる方法


フッ素を取り入れるには、歯磨き剤やマウスウォッシュでの利用の他、歯科医院でフッ素塗布してもらう方法もあります。ここではむし歯予防に取り入れたい、フッ素配合剤の種類について紹介します。    

フッ素配合の歯磨き剤を使用する

フッ素が配合されている歯磨き剤は多く、ジェルタイプやペーストタイプのものがあります。また、歯磨き後のうがいができない子ども向けには、泡タイプや液体タイプの歯磨き剤も販売されています。

フッ素配合のジェルを塗る

フッ素ジェルは、歯みがき後に塗布することでフッ素を歯面にとどめ、むし歯予防をサポートします。

歯の表面にフッ素を引き寄せてとどめやすくする成分が含まれているものもあり、寝る前に使用することで、就寝中にもフッ素効果が持続しやすくなります。使用量は年齢に応じて調整し、塗布後は水で一度だけ軽くすすぐのが理想的です。

ただし、使用後すぐに飲食をするとフッ素の吸収が妨げられるため、30分程度は控えるのが望ましいでしょう。

フッ素スプレーを使用する

フッ素スプレーは、ブラッシングが難しい小さな子どもや、外出先でのケアにも適しており、毎日のオーラルケアに取り入れやすいのが特徴です。

スプレーにはフッ素イオンが含まれており、歯の再石灰化を促して初期むし歯の進行を防ぎます。

ブラッシング後の清潔な口内に数回スプレーしてすべての歯へ行き渡らせた後、30分間は飲食をしないことでフッ素の効果をしっかり引き出せます。

フッ素配合のマウスウォッシュを使用する

マウスウォッシュは、少量のフッ素マウスウォッシュを口に含み、ブクブクうがいをして使用します。乳歯や永久歯のむし歯予防に効果的で、4歳以上の子どもを対象に幼稚園や保育園、小中学校などで集団的に実施されています。マウスウォッシュには、家庭用のものもあるので、家でも利用したい人は、歯科医院や薬局などで購入が可能です。

歯科医院でフッ素塗布をしてもらう

歯科医院で歯に直接フッ素を塗布してもらう場合は、3~6カ月に1回が目安です。歯科医院で取り扱われているフッ素は、市販のものより10倍ほど濃度が濃く、扱えるのは歯科医師と歯科衛生士のみです。塗布後はフッ素をできるだけ長く口内に留めておけるように、約30分間は飲食を控えるようにしましょう。

フッ素配合歯磨き剤の効果的な使用方法


むし歯予防のために取り入れるフッ素配合剤の中でも、誰でも日常的に使いやすいのが歯磨き剤です。ここではフッ素配合歯磨き剤について、使用量の目安や効果的な歯磨きのやり方などを紹介します。

年齢に応じたフッ素配合歯磨き剤を選ぶ

フッ素入り歯磨き剤は年齢に合ったものを選びましょう。年齢に合わない高濃度のフッ素は、歯を変色させたり、知覚過敏を悪化させたりする恐れがあります。年齢に応じたフッ素の配合量の基準は、下記の通りです。
  • 6ヵ月~5歳:フッ素濃度500~1,000 ppm
  • 6歳~14歳:フッ素濃度1,000 ppm
  • 15歳以上:フッ素濃度1,000~1,500 ppm

フッ素配合歯磨き剤の使用量の目安を守る

フッ素は使用量にも気を付けましょう。フッ素を過剰に摂取すると、吐き気や嘔吐などの症状が出る可能性があるため、使用量を守り適正に使用しましょう。
  • 6ヵ月~2歳:切った爪程度の少量、仕上げ磨き時に親が行う。
  • 3歳~5歳:5 mm以下、就寝前に行う、歯磨き後5~10 mlの水で1回程度洗口する。
  • 6歳~14歳:1 cm程度、就寝前に行う、歯磨き後10~15 mlの水で1回程度洗口する。
  • 15歳以上:1~2 cm程度、就寝前に行う、歯磨き後10~15 mlの水で1回程度洗口する。

フッ素配合歯磨き剤を効果的に使用する

実際にフッ素配合歯磨き剤を使用する時は、どのようにするのが1番効果的なのでしょうか。効果的に使用する手順を紹介します。
  1. 年齢に応じた適切な量の歯磨き剤を歯ブラシに塗布する。
  2. 歯の面全体に歯磨き剤を広げる。
  3. 2~3分磨く。
  4. 歯磨き剤を吐き出す。
  5. 水を口に含み、5秒程度ブクブクうがいをする。
ポイントは、口内にフッ素を留めるため、うがいを1回程度にすることです。また、歯磨き後1~2時間、飲食を控えるとより効果的です。
正しい歯磨き方法について確認したい人は、こちらの記事も読んでみてくださいね。

子どものフッ素入りマウスウォッシュの選び方

フッ素入りマウスウォッシュは、むし歯予防を手軽にサポートできる便利なアイテムですが、子どもに使用する場合はいくつかの注意点があります。子どものフッ素入りマウスウォッシュの選び方について詳しく見ていきましょう。

年齢に応じたフッ素濃度の商品を選ぶ

フッ素入りマウスウォッシュも、歯磨き剤と同様に年齢に応じたフッ素濃度で使い分ける必要があります。特に5歳以下の乳幼児ではフッ素の過剰摂取により歯が白く濁る「歯のフッ素症」を起こすリスクがあるため、使用の可否や濃度の確認が必須です。

一般的には、6歳未満の子どもには濃度500~1,000ppm、6歳以上で1,000ppm程度が推奨されています。製品のラベルに記載されたフッ素濃度をよく確認し、適した範囲のものを選びましょう。年齢に対してフッ素濃度が高すぎる場合には、歯科医師に相談のうえで使用するのが安心です。

子どもの好きな味や香りを選ぶ

マウスウォッシュにはさまざまな味や香りのバリエーションがあり、大人向けの刺激的なミント風味などは、子どもにとっては使いづらい場合があります。使用を嫌がる原因にもなりかねないため、子どもが抵抗なく使える甘めのフレーバーや、使用感がやさしいものを選ぶとよいでしょう。

また、購入前に実際に使用した家庭のレビューを参考にするのも一つの方法です。子ども自身が気に入って継続できる味や風味かどうかは、むし歯予防の習慣化に直結する重要なポイントです。

ノンアルコールタイプを選ぶ

子ども用のマウスウォッシュを選ぶ際は、アルコールが含まれていないノンアルコールタイプの製品を選ぶのが基本です。アルコール成分はピリピリとした刺激を感じることがあり、子どもが使用を嫌がる原因になります。

そもそも日本国内で流通している子ども用マウスウォッシュの多くはアルコールを含みません。それでも製品によっては微量でも含まれているため、成分表示は確認しましょう。

子どものフッ素入りマウスウォッシュを使うタイミング

フッ素入りマウスウォッシュは、むし歯予防に効果的なセルフケアのひとつですが、使用のタイミングには注意が必要です。すべての時間帯に使えばよいというわけではなく、製品によっては1日1回の使用が推奨されているものもあります。効果を最大限に得るためにも、正しいタイミングでの使用が重要です。

フッ素入りマウスウォッシュを使うタイミングについて詳しく見ていきましょう。

就寝前に使用する

子どもが眠っている間は唾液の分泌が少なくなり、口腔内が乾燥しやすくなります。むし歯菌にとって繁殖しやすい環境であるため、就寝前の口腔ケアは特に重要です。

普段の歯みがきに加えて、フッ素入りのマウスウォッシュを取り入れることで、歯の表面にフッ素をしっかりと留め、再石灰化を促進する効果が期待できます。殺菌成分を含む製品であれば、細菌の繁殖を抑え、翌朝の口臭予防にもつながります。

使用後は飲食を避けると、フッ素の定着を高めることが可能です。

次の歯磨きまでの間に使う

日中、歯みがきと歯みがきの間に口の中が粘ついたり、においが気になったりすることがあります。そのようなタイミングでフッ素入りマウスウォッシュを使用すると、口腔内をリフレッシュしつつむし歯予防ができます。

ただし、フッ素の過剰摂取を避けるために、製品の使用回数の上限を確認しておく必要があります。1日1回が限度とされているマウスウォッシュもあるため、用法・用量を守って使うことが大切です。

外出先で使用する

外出中に歯みがきができない場合や、食事の後に口の中を清潔に保ちたいときにも、マウスウォッシュは便利です。小分けボトルに詰め替えれば、携帯用としても活用しやすく、外食時や学校行事などでのケアにも役立ちます。

子どもはおやつやジュースなど、むし歯リスクが高い食品を口にする機会が多いため、こまめにケアできる環境を整えることで、むし歯予防の効果を高めることができます。使用後は水でのうがいを控えると、フッ素の作用をより長く口の中にとどめられます。

子どものむし歯(虫歯)を防ぐために気を付けること

むし歯予防には、子どもの頃からの口内ケアが重要だと言われています。子どものむし歯を防ぐためには、生活習慣が大切です。ここでは子どものむし歯を防ぐために気を付けることを紹介します。    

間食(おやつ)は時間を決めて食べる

むし歯は、原因菌の栄養源となる糖分が口内に長時間あることで、発症するリスクが高くなります。特にジュースなど糖質を多く含む飲み物や、飴など口内に長時間留まるものは要注意です。おやつは決まった時間に食べるようにして、だらだらと食べないよう心がけましょう。

糖分の少ないおやつにする

糖質を含んだ甘いものはできるだけ控えましょう。おにぎりやサツマイモの他、おせんべいやクラッカーなどしっかり噛むことで唾液分泌を促すような、歯につきにくいおやつを選んでくださいね。

間食後も歯磨きをする

おやつの後にも歯磨きをするようにしましょう。口内の食べかすは、むし歯菌の大好物です。外出先で歯磨きが難しい場合は、水やお茶でうがいをして、食べかすを取り除けるように心がけてくださいね。

フッ素はタイミングと使い方が重要

フッ素は歯質を強化し、初期のむし歯を修復する働きがある成分ですが、その効果を最大限に引き出すには使い方が重要です。たとえば、フッ素ジェルやスプレーは就寝前の使用が効果的とされており、歯みがきのあとに塗布・スプレーすることで、睡眠中も歯を守る働きが持続します。

ただし、フッ素は一度に大量に使えばよいというものではなく、年齢に合った濃度と使用量を守ることが大切です。たとえば、6歳未満の子どもにはフッ素濃度500 ppm程度が推奨されています。また、すすぎすぎるとフッ素が流れすぎてしまいます。ジェルを塗布したあとは少量の水で1回だけゆすぐ、すすがずにそのままにするなど、製品ごとの正しい使い方を守りましょう。

仕上げ磨きを習慣づける

子ども自身に毎日の歯みがきを任せるのはまだ難しく、どうしても磨き残しが多くなりがちです。なかでも奥歯や歯と歯の間などは磨きにくく、むし歯になりやすい箇所です。保護者が毎日仕上げ磨きを行うことで、細かい部分の汚れをしっかり落とし、むし歯のリスクを大きく下げることができます。

仕上げ磨きは子どもの年齢や性格に合わせて無理なく行うことがポイントです。寝かせ磨きや歯みがき用の補助具を活用することで、子どもが嫌がらずに続けられる工夫も取り入れましょう。また、仕上げ磨きの際にフッ素ジェルを併用すると、より効果的なむし歯予防につながります。

歯科医院で定期的にフッ素塗布をしよう

むし歯を防ぐためには、間食の取り方に気を付けたり、フッ素配合剤を効果的に使用したりすることが重要です。特に子どもの生えたての乳歯や永久歯は、歯の質が弱く、むし歯になりやすいです。むし歯予防のためにも定期的に歯科医院で口内環境を診てもらいながら、フッ素塗布などを行いましょう。
歯磨き以外のケアもしたい人や気になる人は、下記の記事もチェックしてみてくださいね。

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