オーラルケアとは

オーラルケアとは、単に歯磨きだけを指すのではなく、むし歯や歯周病予防のためにする口内ケア全般を意味します。正しいオーラルケアを理解するために、まずはオーラルケアの内容と日本の現状について見ていきましょう。
口内の清潔と健康を保つこと
オーラルケアとは食べ物の残りかす・歯垢・舌苔(ぜったい)を除去することです。歯磨きの他に、フロスやデンタルリンスなどを使ったケアも含まれます。オーラルケアには、歯科医院で行うものと自宅で行うものがあり、自宅で行うオーラルケアは「ホームケア」と呼ばれています。
日本はオーラルケアへの意識が低い
欧米では早くから歯や口の健康に対する意識が高まり、中でもオーラルケア先進国のスウェーデンの人々は、歯ブラシ・デンタルフロス・マウスウォッシュなどを使ったホームケアに力を入れています。
一方、厚生労働省発表の「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要 」によれば、日本でデンタルフロスなどを用いた歯間部清掃をしている割合は30.6%、舌清掃では16.6%となっています。日本では歯ブラシ以外のケアをしている人は、まだまだ少ないと言えるでしょう。
一方、厚生労働省発表の「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要 」によれば、日本でデンタルフロスなどを用いた歯間部清掃をしている割合は30.6%、舌清掃では16.6%となっています。日本では歯ブラシ以外のケアをしている人は、まだまだ少ないと言えるでしょう。
オーラルケアで期待できる効果

ここでは、オーラルケアによって具体的にどのような効果が期待されるのかを見ていきましょう。
むし歯や歯周病の予防
歯についた汚れを落とすことは、むし歯や歯周病の予防になります。オーラルケアを怠ると、むし歯の原因であるミュータンス菌が増殖して歯垢(プラーク)形成がされ、エナメル質を溶かしてむし歯になります。
さらに、歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖すると、歯の周りに炎症が起こる歯周病を引き起こしかねません。その結果、歯ぐきから出血が起きたり、歯が抜けてしまうこともあります。
さらに、歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖すると、歯の周りに炎症が起こる歯周病を引き起こしかねません。その結果、歯ぐきから出血が起きたり、歯が抜けてしまうこともあります。
口臭の予防
オーラルケアで口内をきれいに保つことは、口臭予防にも役立ちます。口内に汚れが残っていると歯周病菌がガスを出したり、舌の表面に細菌やタンパク質を含んだ舌苔が増えたり、口内のネバネバ感や口臭を強く感じるときがあります。そのため口臭予防には、舌のケアも必要です。
健康な体づくり
歯周病菌は、心疾患や糖尿病などさまざまな病気との密接な関係が指摘されています。適切なオーラルケアを行えば口内の健康だけでなく、体の健康維持にも役立ちます。
毎日のオーラルケアを見直そう

歯ブラシを使って磨くだけでは、十分なケアはできません。その他のオーラルケア用品も使って、口内を清潔に保つことが大切です。ここでは、自宅でできるオーラルケアの方法を見ていきましょう。
毎食後に歯磨きをする
歯磨きは朝や夜だけでなく、できれば毎食後磨くようにしましょう。外出先で歯磨きセットを持参するのが厳しい場合は、携帯用のマウスウォッシュなどをバッグに入れておくと便利です。
フッ素入りの歯磨き粉を使う
フッ素には、歯の成分が溶け出した部分を修復して歯を丈夫にする作用や、むし歯の活動を抑える働きがあります。ホームケアでフッ素入りの歯磨き粉を取り入れることは、むし歯や歯周病予防に最適です。
歯間ブラシで歯の隙間の汚れを落とす
歯ブラシでは届かない、歯と歯の間に詰まった食べ物や汚れを除去できるブラシが歯間ブラシです。形状は「 I 字型」と「 L 字型」がありますが、使い方は同じ。歯と歯の隙間にブラシを差し込み、軽い力で前後にゆっくりと動かして汚れをかき出します。ブラシが大きすぎると歯ぐきを傷つけることがあるので、自分の歯間の幅に合ったサイズ選びが大切です。
狭い隙間にはデンタルフロスを使う
歯ブラシや歯間ブラシが入らない、狭い隙間の汚れを除去できるのがデンタルフロスです。フロスを歯と歯の隙間に入れ、歯の側面に当てて上下に動かし汚れを除去します。糸が巻かれているロールタイプと柄が付いたホルダータイプ(F字型・Y字型)がありますが、初心者には使いやすいホルダータイプがおすすめです。
マウスウォッシュで口をゆすぐ
歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使っても、口の中の菌をすべて除去することはできません。マウスウォッシュで口をゆすぐことで、落としきれなかった汚れを洗い流せます。むし歯予防用・歯周病予防用・口臭防止用の3タイプがあるので、自分に適したものを選んでください。なお口臭防止にはオーラルケアの仕上げだけでなく、朝起きてすぐ使うのも効果的です。
舌ブラシで舌の汚れを落とす
舌ブラシは、口臭の原因ともされる舌苔を取り除きキレイにするものです。舌の奥から手前へ引き寄せるように軽く動かして舌苔を取っていきます。1日1回を目安に、朝のケアでブラッシングするのがおすすめです。
40代からのオーラルケアが重要な理由

40代を迎えると疲れやすかったり、筋力の衰えを感じたりと、体の変化を感じるようになります。歯周病の発症は40歳前後でピークを迎えると言われ、オーラルケアにも気を使うことが大切です。ここでは、40代からのオーラルケアが重要な理由についてさらに詳しく見ていきましょう。
ホルモン分泌の急減が口内にも影響する
体に少しずつ変化が起こる40代を迎えると、それまでと同じようなオーラルケアでは十分とは言えません。特に女性の場合、40代からは女性ホルモンの減少とともに、自浄作用がある唾液の分泌量も減っていきます。口内が乾燥すると細菌が繁殖してむし歯や歯周病のリスクが高まるため、よりオーラルケアに気を配ることが必要です。
歯周病が自覚症状なく進行することもある
口内環境が変わり始める40代以降は歯周病のリスクも高まりますが、歯周病の初期段階では自覚症状がないことが多く、知らぬ間に歯周病が進行しているケースも珍しくありません。歯磨き中の歯ぐきからの出血、ドライマウスや口内の粘りなどの症状が出たら、歯科医院を受診することをおすすめします。
定期的な歯科受診で口内トラブルを未然に防ぐ

口内のトラブルを防ぐには、ホームケアだけでなく、定期的な歯科医院の受診も欠かせません。最後に歯科医院を受診することの必要性や、自分の口内環境がわかる「唾液検査」について解説します。
ホームケアで落とせない歯石を除去してもらう
むし歯や歯周病は他の病気と同じように早期発見が大切なため、定期的に検診を受けることをおすすめします。ホームケアでは歯の表面の汚れ(プラーク)は落とせますが、残った汚れが石灰化して「歯石」になってしまうと、自分で除去するのが難しくなってしまいます。
だからこそ、歯磨きがしっかりできている人でも、定期的に歯科医院で歯石の除去をするのがベストです。
だからこそ、歯磨きがしっかりできている人でも、定期的に歯科医院で歯石の除去をするのがベストです。
唾液検査で口内環境をチェックする
オーラルケアは、自分の今の口内環境に合わせたケアや予防をすることが重要です。そこで注目したいのが、「唾液検査」。唾液の成分や菌の活性度など調べることで、歯と歯ぐきの健康、口内の清潔度など、自分の今の口内環境がわかります。
<シルハ(SillHa)とは>
水で口を10秒すすぐだけで、口内環境にかかわる6つの項目をチェックできる唾液検査です。全国1,000件以上の医療機関で導入されています。自分の口内環境や適切なオーラルケアを知るためにも、一度受検してみてはいかがでしょうか。
水で口を10秒すすぐだけで、口内環境にかかわる6つの項目をチェックできる唾液検査です。全国1,000件以上の医療機関で導入されています。自分の口内環境や適切なオーラルケアを知るためにも、一度受検してみてはいかがでしょうか。
毎日のオーラルケアと定期的な歯科受診で、健康な口を維持しよう

口内のトラブルを未然に防ぐには、正しいオーラルケアや定期的な歯科受診が必要です。今回紹介した内容を参考に、今までのオーラルケアを見直し、いつまでも健康な口内環境を維持しましょう。