歯磨きの時間は1回3分以上が目安!ベストな磨き方やタイミング

歯磨きの時間は1回3分以上が目安!ベストな磨き方やタイミング

1回の歯磨きにかける適切な時間とその理由や、理想的は歯磨きタイミング、歯磨きする時間がないときのおすすめ対応について解説します。

               
歯磨きは、どのタイミングで、どれくらいの時間をかけると、オーラルケアとして望ましいのでしょうか。外出時などで歯磨きができないときの対処方法や、日々のオーラルケアをより良いものにできる定期検診についてもご紹介します。

歯磨きにどの程度の時間をかける人が多いのか

「1回の歯磨きにどのくらい時間をかけているか」という調査に対して、もっとも多かったのは「2分以上3分未満」で、全体の30.2%を占めました。次いで多かったのが「1分以上2分未満」(18.5%)で、「1分未満」(3.6%)の方と合わせると、半数以上の方が3分未満の時間で歯を磨いていることがわかります。
それでは、歯磨きの時間はどれくらいの長さが適切なのでしょうか。

歯磨きにかける時間の目安

歯は、全部で28本(親知らずを含め32本)あります。歯磨きのやり方として、1本あたり10~20回、歯ブラシを小刻みに動かして1本1本丁寧に磨いていく必要があります。そうすると、1回の歯磨きに3分以上はかかる計算になります。

アンケート結果では、歯磨き時間が3分未満の方が半数以上でした。そのため、この結果だけで見れば、多くの方で歯を磨く時間をもう少し長めにとった方が良いでしょう。

しかし、歯磨きは歯の汚れを落とすことが目的です。時間をかければ良いというわけでなく、キレイに歯垢や汚れを落とせているかどうかが大切です。

歯磨きのやりすぎが招くトラブル

あまり長い時間歯磨きをしていると、歯の表面にあるエナメル質が剥がれたり、傷ついたりして、知覚過敏になってしまう可能性があります。また、力を入れすぎて磨いても、エナメル質を傷つけてしまいます。時間は3分以上で、歯を傷つけないように気をつけて磨きましょう。

5分以上歯を磨いている場合は、磨きすぎの可能性があります。

ただし、5分以上歯を磨いている場合も、必ずしもやりすぎとは限りません。ブラッシングの力加減や一つの場所にどれくらいの時間をかけているかも関係するためです。
また、矯正装置がある方や、歯並びが複雑な方は、丁寧に1本ずつ磨く必要があるため、自然と時間がかかります。

同じ箇所を何度も繰り返し磨いてしまう、力を入れすぎる、必要以上に硬い歯ブラシを使っているといった場合は、時間に関係なく歯や歯ぐきへの負担となります。

大切なのは「時間」ではなく、「正しい磨き方」です。

歯磨きはかける時間よりも磨き方が大切

歯磨きにかける時間は目安として「3分以上」が望ましいとされていますが、実際には「どれだけ丁寧に磨けているか」が重要です。歯の1本1本を丁寧に、歯と歯ぐきの境目に沿って小刻みに磨いていくと、それだけで3分程度は必要になります。

しかし、長く磨いているからといって正しいケアができているとは限りません。大切なのは「何分磨いたか」よりも、「どんな磨き方をしているか」です。

正しい歯磨きの方法について詳しく見ていきましょう。

正しい歯磨きの方法

歯磨きの時間だけでなく、どのように磨くかがとても重要です。歯ブラシの持ち方は鉛筆を持つように軽く握る「ペングリップ」が基本とされ、歯に対しては毛先を90度の角度で当て、小刻みに優しく動かすのがポイントです。

また、歯周ポケットの汚れを落とすには、境目を意識して角度と回数を調整するなど、部位ごとの磨き方にもコツがあります。必要に応じて、デンタルフロスやタフトブラシなどを併用することで、歯ブラシだけでは届かない部分のケアも可能になります。

詳しい方法やオーラルケアアイテムの使い方などについては、以下の記事で解説しています。

歯間ブラシとデンタルフロスによる仕上げも大切

丁寧に歯磨きをしたつもりでも、歯と歯の間の歯垢や汚れを歯ブラシだけで取り除くことは難しいです。歯磨きをした後には、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、しっかりと汚れを落としましょう。歯の隙間に合わせて、歯間ブラシとデンタルフロスを使い分けて汚れを取り除いてくださいね。

デンタルフロスの使い方については、こちらの記事もチェックしてください。

歯磨きのタイミングは食後なるべく早めに

食後は30分ほど時間をおいてから歯磨きをした方が良い、という意見があります。しかし日本歯科医師会では、食後30分から1時間で口内が酸性になるため、その前に歯磨きをすることが望ましいとしています。歯垢の中の細菌が、食べ物を分解して、酸を生産することがむし歯の原因になります。歯垢を取り除き、酸を作り出す細菌を増やさないようにすることが重要であるため、食後はなるべく早いタイミングで歯磨きすることをおすすめします。

出典:日本歯科医師会「読売新聞 第9回「デンタルヘルス・シリーズ」シンポジウム(来場者の主な質問に対する回答)」

タイミング別の歯磨きの方法とポイント

1日の中でも、特に朝と就寝前はタイミングや磨き方に気を付けてケアをしましょう。ここでは、1日のオーラルケアのポイントについてご紹介します。

朝:起床後すぐに歯を磨く

起床直後の口の中は、1日の中で最も細菌が多い状態です。これは、睡眠中に唾液の分泌量が大きく減少し、自浄作用が弱まるためです。唾液には本来、抗菌作用があり、口内の細菌を抑える働きがありますが、就寝中はその働きが鈍くなるため、細菌が急激に増殖します。

この状態で朝食をとってしまうと、食べ物と一緒に細菌を体内に取り込むことになり、胃腸に負担がかかります。

そのため、朝はまず起きたらすぐに歯磨きをして、口内の細菌をしっかりと除去することが重要です。その後、朝食をとったら、食べかすや歯垢を取り除くために、再び歯磨きを行うのが理想的です。

また、歯磨きとあわせて舌磨きも行うことで、さらに高い口臭予防効果が期待できます。舌の表面には「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる白い汚れが付着しており、これが口臭の大きな原因の1つです。専用の舌ブラシややわらかい歯ブラシを使って、やさしく舌の奥から手前に向かって磨くようにしましょう。

昼食後:時間が取れないときは、簡単に歯磨きやうがいをする

昼食後にしっかりと歯磨きをするのが理想ですが、外出先や職場では時間や場所が限られてしまうこともあるでしょう。そんなときには、水で口をすすぐ、うがいをする、ガムを噛むといった簡単な方法でも、口内を清潔に保つ意識が大切です。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを携帯しておけば、短時間でも歯間の汚れを効率よく取り除けます。限られた時間のなかでは、奥歯や歯と歯の間など、汚れが溜まりやすい部分を優先的にケアするのがおすすめです。

ただし、簡易的なケアだけにとどまった日は、その分、就寝前や翌朝の歯磨きを“丁寧に”行うことがとても重要です。ここでいう「丁寧」とは、時間の長さよりも正しい磨き方や力加減、ブラシの当て方を意識することを指します。

歯垢をしっかり落とす正しい磨き方や歯ブラシの選び方については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

夜:就寝前は特に念入りに歯磨きをする

夕食後の歯磨きは、1日の中でも特に重要なタイミングです。就寝中は唾液の分泌が減少し、口内の自浄作用が弱まるため、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、寝る前には必ず丁寧に歯磨きを行い、食べかすや歯垢をしっかり取り除いておくことが大切です。

歯磨きの際は、時間にとらわれるのではなく、1本1本の歯を意識して、細かくブラッシングすることを心がけましょう。また、歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれないため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのがおすすめです。特に夜は、歯間ケアを習慣にすることで、むし歯や歯周病のリスクを大きく減らすことができます。

さらに、仕上げにマウスウォッシュを取り入れると、口内全体の殺菌や口臭予防にもつながります。

間食後:歯磨きをするのが理想

糖質の多い間食を摂ったあとは、むし歯のリスクが一気に高まります。できるだけ間食後も通常の食事後と同じように歯磨きをすることが理想的です。特に、キャラメルやグミなどの粘着性が高いお菓子は歯に残りやすく、歯垢の温床になりやすいため、より丁寧なケアが必要です。

どうしても歯磨きが難しい場合は、口をよくすすいだり、お茶を飲むなどして口内を中和し、虫歯菌が増殖しやすい酸性環境が続かないようにしましょう。

歯磨きする時間がないときの対処法


歯磨きができない場合には、口をすすぐほかにも、ガムや歯磨きシートなどの活用も効果的です。それぞれの対処法を詳しくご紹介します。

口をすすいで食べかすを洗い流す

食べかすを水で洗い流すことで、口内が酸性になるのを抑えて、むし歯になるリスクを下げることが期待できます。マウスウォッシュの使い方や選び方については、こちらの記事もあわせて読んでみてくださいね。

キシリトール100%のガムを噛む

食後にキシリトール100%のガムを噛むと、唾液の分泌が促され、口内の酸を中和してむし歯を防ぐ効果が期待できます。キシリトールは、むし歯菌の働きを抑え、歯を溶かす酸を作らない天然甘味料です。市販の中には糖類が含まれるガムもあるため、ノンシュガーでキシリトール100%の製品を選ぶようにしましょう。

キシリトールの選び方や効果的な摂取方法については、こちらの記事でご紹介しています。

歯磨きシートを使う

外出先で水が使えないときは、歯磨きシートでのケアが便利です。指に巻いて歯や歯ぐきをやさしく拭くだけで、口臭やむし歯予防にも効果的です。水ですすぐ必要がないため、仕事中・デート・アウトドア・災害時など、歯磨きが難しいシーンでも活躍します。

オーラルケアのために歯科医院に通うメリット

歯の健康を維持するためには、毎日のオーラルケアだけでなく、歯科医院で定期検診を受けることも大切です。むし歯や歯周病の早期発見や、自分に適したケア方法も見つかります。
ここでは、オーラルケアのために歯科医院に通うメリットについて見ていきましょう。

歯磨きがしっかりできているか見てもらえる

毎日欠かさず歯磨きをしていても、自分だけでは本当にきれいに磨けているかを確認することは困難です。歯科医院では、染め出し液を使って磨き残しを可視化し、どの部分が磨けていないのかを正確に把握できます。

歯と歯の間や奥歯の裏側など、見えにくく磨きにくい箇所は、プロのチェックを受けることで初めて問題に気づくこともあります。

今の自分の磨き方では磨き残すのか・やりすぎなのかを確認できる

自己流の歯磨きは、無意識のうちに力を入れすぎてしまっていたり、特定の箇所だけを何度も磨いてしまっていたりする場合があります。エナメル質の摩耗や歯ぐきの退縮といったトラブルを引き起こすことになりかねません。

歯科医院では、こうした磨き癖や圧の強さまでチェックし、口内の状態に合った正しいブラッシング法を提案してもらえます。

歯磨き指導によって歯磨きに必要な時間を確認できる

歯磨きにかけるべき時間は一律ではなく、歯の本数や歯並び、矯正装置の有無など個人の口内環境によって変わります。歯科医院では、患者ごとに適切な時間や磨くべき順序、オーラルケアアイテムの使い方などを指導してくれます。

また、「何分磨くべきか」ではなく、「どこをどのくらいの時間をかけて、どのように磨くべきか」を具体的に教わることができるため、日々のケアの質が大きく向上します。

予防歯科については、あわせてこちらの記事をチェックしてくださいね。

歯科医院に行くその他のメリット

歯科医院に通うことには、歯磨きの確認以外にもさまざまなメリットがあります。まず、むし歯や歯周病を初期の段階で発見できる点です。自覚症状がないまま進行することも多いため、定期的なチェックによって早期治療が可能になります。

また、自宅でのケアでは落としきれない歯石や着色汚れも、プロの手によってきれいに除去できます。丁寧に磨いているつもりでも、磨き残しは少なからず生じてしまうものです。歯科医院でクリーニングを受けることで、口内環境を整え、むし歯や歯周病の予防につながります。

唾液検査の結果を踏まえたオーラルケアがわかる

自分に合ったオーラルケアを実践するには、まず現在の口内環境を正しく知ることが大切です。そのために役立つのが「唾液検査」です。唾液には、むし歯や歯周病のリスクを左右する多くの情報が含まれており、唾液を調べることで口腔内の健康状態を客観的に把握できます。

中でも、唾液検査「シルハ」は、むし歯菌の活性度や唾液の酸性度、清潔度、歯ぐきの健康状態など、複数の項目を簡単にチェックできる点が特長です。検査は10秒間うがいをするだけで完了し、結果をもとに歯科医院で一人ひとりに適したケア方法を提案してもらえます。

日々のオーラルケアをより効果的に行いたい方は、定期的な唾液検査を取り入れてみてはいかがでしょうか。

唾液検査シルハを導入している全国の医療機関は、以下から検索できます。

適した時間やタイミングで歯磨きをしよう

歯の健康のためには、適切な時間やタイミングで歯磨きをすることが大切です。また、定期的に歯科医院を受診することで、日々のオーラルケアをより良くできます。今回ご紹介したオーラルケアのポイントや外出時の対処法などを、日々のオーラルケアの参考にしてみてくださいね。

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