秋口も油断大敵! 残暑の熱中症対策ガイド~寒暖差・服装・食べ物まで~

秋口も油断大敵! 残暑の熱中症対策ガイド~寒暖差・服装・食べ物まで~

この記事では、秋に入っても注意したい熱中症や残暑対策、服装や食事の工夫などについて解説します。

               
秋に入っても引き続き熱中症には注意が必要です。昼間はまだ暑い日がある一方で朝晩は涼しくなるなど、朝晩の気温差や夏の疲れの蓄積によって体調不良を引き起こすこともあります。この記事では、残暑における熱中症リスクとその対策、服装や食事の工夫、最新の統計情報に基づいた予防方法を詳しく解説します。

残暑と熱中症リスク ~気温差・寒暖差疲労の盲点~

秋口も気温は高い

近年、9月を過ぎても気温が高い傾向が続いています。気象庁によると、2024年9月、日本全国で猛暑日を観測した地点数の積算は1,452に達し、2010年以降の9月として最多を記録しました。また、月平均気温偏差は+2.52 ℃となり、統計開始(1898年)以来、昨年2023年に次ぐ2番目の高さとなりました。

さらに、消防庁の報告によると、2024年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は97,578人で、調査を開始した2008年以降で最も多い搬送人員となっています。また、同年9月の熱中症による救急搬送人員は11,503人と過去最多となり、これまで最多だった2019年の9,532人を上回りました。このデータからも、秋口も油断できない状況であることがわかります。

参考:気象庁「9月の顕著な高温と今後の見通しについて」
参考:消防庁「令和6年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」

「秋バテ」「寒暖差疲労」がもたらす体調不良

秋に入ると日中は残暑がある一方で朝晩はぐっと涼しくなる日もあり、気温差が大きくなります。このような気温差は、体温調節を担う自律神経に大きな負担をかけ、体調不良を引き起こす原因になります。

また、夏の間は「夏バテ対策」に意識を向けていた方も多く、なんとか乗り切れるケースが多いものの、気が緩みやすい秋口には、夏に蓄積された疲労が表面化しやすくなります。その結果として現れるのが「秋バテ」と呼ばれる不調で、だるさ、頭痛、食欲不振、寝つきの悪さなどの症状を引き起こすことがあります。

秋バテについてこちらで詳しく解説していますので参考にしてみてください。

なぜ真夏が過ぎても「熱中症」に注意が必要なのか?

9月に入ると徐々に涼しい日も増えてきますが、日中の気温が30 ℃を超える日も多く、湿度の高い日も続くため、体には依然として大きな負担がかかっています。とくに季節の変わり目には、昼夜の寒暖差によって自律神経のバランスが乱れやすくなり、体温調節や発汗機能がうまく働かなくなることがあります。その結果、体内に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクが高まるのです。真夏を過ぎたからといって油断せず、引き続き適切な熱中症対策を行う必要があります。

季節の変わり目に起こるライフスタイルの変化が影響

学校や仕事の再開、行楽イベントなどで外出の機会が増える一方、服装や空調の使い方に変化が生じやすい時期です。たとえば、クールビズの終了や長袖への衣替えにより、体内にこもった熱が逃げにくくなることがあります。また、真夏ほど冷房を使わなくなることで、室内温度や湿度が高くなりがちです。さらに、夏の疲れが抜けきらないまま迎えるこの時期は、軽い運動や短時間の外出でも体温が上がりやすく、熱中症を引き起こす一因となるおそれがあります。

都市型ヒートアイランド現象に注意

都市部では、アスファルトやコンクリートが日中の熱を蓄え、夜間になっても気温が下がりにくい「ヒートアイランド現象」が見られます。とくに秋口の晴天時には、都市部と郊外で3〜4 ℃もの気温差が生じることもあり、都市部にいる方ほど熱中症のリスクが高まりやすくなります。さらに、夏の疲れや気の緩みから水分摂取や体調管理が疎かになる傾向もあります。

「違和感ゼロ」秋口の熱中症対策ファッション

日中こそ夏のような暑さになる日もありますが、、朝晩は涼しさが増してきます。この気温差に体がうまく対応できず、風邪をひいたり体調不良を感じたりすることが多い時期です。とくに外出時は、気温に合わせて調整しやすい服装を心がけることが、熱中症対策としても重要です。

レイヤードで対応! 気温差に強いコーディネート

朝夕と日中の寒暖差に対応するには、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが基本となります。たとえば、半袖のトップスに薄手のカーディガンやストールを合わせるなど、こまめに調整できる服装がおすすめです。外出先でも簡単に体温調整ができる服装は、体への負担を減らし、熱中症予防にもつながります。

秋らしさを意識した色・素材選び

季節の変わり目には、服の色使いを少し変えるだけでも秋らしさを演出できます。ボルドー、マスタードイエロー、カーキ、ブラウン、テラコッタといった深みのある色は、秋の訪れを感じさせる代表的なカラーです。トップスやボトムスで取り入れなくても、ストールやバッグなどの小物に取り入れるだけで、さりげなく季節感を出すことができます。

素材は、夏に引き続き吸湿速乾性や通気性に優れた麻やポリエステル混紡が快適です。UVカット機能付きの衣類は、紫外線対策に役立ちます。気温差があるこの時期を快適かつおしゃれに過ごす工夫を取り入れましょう。

「着る冷却アイテム」や「機能性インナー」の活用

日中はまだ暑さが厳しい日もあるため、「着る冷却アイテム」や機能性インナーの活用が効果的です。着る冷却アイテムとして、保冷剤を入れるポケット付きのベストや、接触冷感性のある素材で作られた衣類などが注目されています。

また、汗を素早く吸収して乾かす機能性インナーは、汗による不快感や体温の急上昇を抑える効果があります。とくに首もとや背中など、暑さを感じやすい部位を効率よく冷やす工夫が、熱中症対策に有効です。見た目の季節感を損なわず、機能面でも快適に過ごすためのアイテムとして取り入れましょう。

「秋口も使える」残暑の熱中症対策グッズ

秋に入っても、日中は熱い日あり、熱中症のリスクは依然として高いままです。とく秋の行楽や運動の機会も増える時期なので、季節に合った熱中症対策グッズを上手に活用しましょう。

ポータブル冷却グッズ

首掛けファンや冷却タオル、ミストスプレーなどの携帯型アイテムは、外出先でも手軽に体温調節ができます。暑さを感じたときにすぐ使えるため、熱中症対策として有効です。また、ベビーカーやチャイルドシートに取り付けられるファン付きシートもあり、子ども連れの外出時にも安心して使用できます。

秋の行楽や運動にも役立つアイテム

秋は運動会やレジャーなど外出の機会が増えるため、熱中症対策グッズを持ち歩くと安心です。塩分補給ができるタブレットや、吸水速乾性に優れたタオル、コンパクトな冷却スプレーなどは持ち運びやすく、外出先でも使用できます。また、軽量で洗いやすい水筒を使うことで、こまめな水分補給がしやすくなります。

秋仕様の小物で紫外線・暑さ対策

通気性の良い素材を使った帽子やアームカバー、スカーフなどは、秋の紫外線と残暑対策におすすめです。デザイン性と機能性を兼ね備えたアイテムを選べば、おしゃれを楽しみながら、しっかりと暑さ対策もできます。

体調管理アプリやウェアラブルデバイスも活用

衣類やグッズだけでなく、デジタルツールを活用した体調管理も、熱中症予防に役立ちます。たとえば、ウェアラブルデバイスを使えば、体温や心拍数、発汗量、睡眠の質などをリアルタイムで確認することができ、体調の変化にいち早く気づくことが可能です。

なかには、暑さによって心拍数が上昇した際にアラートを表示したり、水分補給のタイミングを通知したりする機能を備えた製品もあります。こうした機能を上手に取り入れることで、適切なタイミングでの休憩や水分補給がしやすくなり、熱中症のリスクが高まる前に早めの対策を講じることができます。

秋の味覚で熱中症対策 ~選ぶべき・避けるべき食べ物・飲み物~

熱中症予防に役立つ秋の食材

残暑が厳しいものの、秋の味覚が楽しめる季節でもあります。熱中症対策として注目したいのが、体内の水分やミネラルバランスを整える栄養素を含む食材です。たとえば、梨は水分が豊富でカリウムも多く含まれており、体の熱を冷ましながら電解質バランスの調整にも役立ちます。

かぼちゃやさつまいもにはビタミンCやビタミンEが含まれており、抗酸化作用によって疲労回復をサポートします。さらに、キノコ類にはビタミンDや食物繊維が豊富で、免疫力の維持に効果的です。また、秋鮭はタンパク質とオメガ3脂肪酸を含み、炎症を抑えながらエネルギー源として体を支えてくれます。

これらの秋の味覚を上手に取り入れることで、夏の疲れが残る体をいたわりながら、熱中症のリスクを減らすことができます。

発汗で失われる成分を食事で補う

汗とともに失われるナトリウムやカリウム、カルシウムといったミネラルは、こまめに食事で補うことが大切です。梅干しや味噌汁、ほうれん草などは、ナトリウムとカリウムの両方を含んでおり、ミネラルバランスの調整に役立ちます。

また、豚肉やレモン、酢の物などに多く含まれるビタミンB群やクエン酸も意識的に摂りたい食材です。とくにクエン酸は、疲労物質である乳酸の分解を助け、エネルギー代謝をスムーズにしてくれる働きがあります。

免疫系・自律神経を整える「腸活」食材を意識

腸には全身の免疫細胞の約7割が集まっているとされており、腸内環境が良好であることは、ストレスや暑さへの耐性を高めるうえでも役立ちます。季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、体調を崩しやすい時期です。だからこそ、自律神経のバランスを整えるには、腸内環境を健やかに保つことが大切です。

味噌やヨーグルト、ぬか漬けといった発酵食品、水溶性食物繊維が豊富な大麦・海藻・里芋などを日々の食事に取り入れることで、腸内の善玉菌の働きが活性化され、体調を整える力の底上げが期待できます。

熱中症リスクが高いNG飲料・食べ物

コーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲料やアルコール類は、利尿作用により体内の水分を奪いやすく、熱中症のリスクを高めるおそれがあります。また、アイスやかき氷、冷たい飲み物などは暑さ対策に良さそうに思えるものの、摂りすぎると体の内側が冷えすぎてしまい、免疫機能や消化機能の低下につながる場合があります。

とくに朝晩の気温が下がる秋口や、夏の疲れが残っている時期には注意が必要です。体力の低下は熱中症の発症リスクを高めるだけでなく、だるさや「秋バテ」といった不調を引き起こす原因にもなります。冷たいものの摂りすぎには十分気をつけましょう。

秋口に気をつけたい残暑・熱中症対策

秋口は気温や湿度の傾向が大きく変わる季節です。上旬は真夏のような厳しい暑さが続くため、引き続きこまめな水分補給や冷却グッズの活用など、熱中症対策が欠かせません。日中の暑さに比べ朝晩は涼しさが出てくるため、服装や寝具の調整が重要になります。寒暖差がさらに大きくなり、自律神経が乱れやすくなることで「秋バテ」などの不調を感じる方も増えてきます。週ごとの気候の変化に柔軟に対応し、しっかり体調を整えましょう。

暑さのピークが過ぎたからと油断せずに体調管理を続けていくことが、健やかな秋を迎えるための第一歩となります。

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