いつの間にかできた口内炎が痛くて、辛い思いをしたことがある人も多いのではないでしょうか。今回はそんな人に向けて、口内炎の痛みや症状を緩和する薬について紹介します。あわせて口内炎ができた際に気を付けたい生活習慣や、歯科医院でできる口内炎治療などについても紹介していきます。
口内炎の痛みに効果が期待できる市販薬
口内炎の痛みや症状を軽減する市販薬には、飲み薬や貼り薬などさまざまなタイプのものがあります。口内炎の状態や、使いやすさなどによって自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。ここでは、口内炎の症状を緩和する市販薬の種類について紹介します。
体内から環境を整える、飲み薬
飲み薬の特徴は、体の内側から口内環境を整えられることです。さまざまな種類のものが発売されていて、炎症を抑える成分や、粘膜の働きを正常な状態に戻すビタミン剤が含まれているものなどがあります。また、栄養補給(肌荒れ、肉体疲労の改善)として服用する人もいます。内服薬は即効性というよりも、ゆっくりと症状を緩和させながら、口内炎を繰り返さないように口内環境を整えてくれる薬です。
患部に直接アプローチできる、塗り薬
口内炎に直接塗って、患部を保護しながら痛みや炎症を沈静させるのが、塗り薬の特徴です。患部に直節塗れるため、内服薬に比べて即効性が期待できると言われています。炎症を早めに抑えるステロイド剤を含んだものもありますが、口内炎の種類や状態によっては使用できない場合もあるので、購入時にはお店の薬剤師の方など専門知識のあるスタッフに相談した方が良いでしょう。
塗り薬はうがいをして手をキレイに洗った後、綿棒や指に適量の軟膏をのせ、患部を覆うように塗っていきます。擦りつけるのではなく優しくのせるようなイメージで塗ってくださいね。
飲食物などの刺激から守れる、貼り薬
貼り薬は、塗り薬同様患部に直接働きかける薬のため、痛みや炎症の鎮静化に即効性が期待できます。塗り薬との違いは、患部を覆えるため飲食をするときの刺激からも保護できることです。使い方は、口内の水分を軽く拭き取ってから患部の上にシールを貼り、指で数秒押さえるだけです。剥がすタイミングについては、自然に剥がれるまで待つものや口の中で徐々に溶けていくものなど製品によって異なります。
広範囲に使用できる、スプレー薬
スプレー薬の特徴は、患部が数ヵ所あったり、範囲が広がっていたりする場合にも使えることです。塗り薬や貼り薬では、うまく対処できない部位の口内炎などに便利です。患部に直接アプローチできるため、痛みや腫れなどへの即効性が期待できるでしょう。1日数回使用でき、適量を患部に噴射塗布して使います。
口内炎ができた時に気を付けたい生活習慣
口内炎ができる原因にはストレスや体力低下などもあるため、できた時には生活習慣を見直すことも大切です。具体的にどんなことに気を付ければ良いのか、紹介します。
十分な休息を取る
口内炎の大半は身体が弱っている時に発症するため、口内炎は心身の疲れを示すサインとも言われています。口内炎ができたらしっかり休息を取り、身体の免疫力を回復させる必要があります。睡眠不足の人はできるだけ睡眠時間を確保できるように意識するとともに、睡眠の質を高める工夫をしましょう。質の良い睡眠を取るためには、体内時計が正常に働くよう、規則正しい生活を送ることが大切です。
よく噛んで食事をする
口内炎が痛む、という理由でよく噛まずに食事を丸呑みしてしまうと、消化器官に負担がかかります。そのため、口内炎ができた時には、消化しやすい食事を心がけ、よく噛んで食べるようにしてください。もしも痛みが強くて噛むのが辛い時には、茶わん蒸しなどやわらかいものや、スープのような食べやすくて、栄養がしっかり取れる食事を選ぶのがおすすめです。辛い食べ物のような刺激物は、口内炎が治るまでは避けるのが良いでしょう。
ビタミンを補給する
胃に優しい食事に加えて、不足しがちなビタミンを補給することも大切です。ビタミンB2には、粘膜を修補する作用があり、ビタミンCには細菌への抵抗力を高める働きがあります。栄養バランスを考えた食事を摂るのが難しい場合には、ビタミン剤で補うのもおすすめです。
丁寧な歯磨きやうがいをする
口内炎予防や対策として、口内環境を清潔に保つことも重要です。自分の歯磨き方法に自信がない人は、正しい歯磨きの仕方を見直してみましょう。また、粘膜を傷つけないためにも、やわらかめの歯ブラシや低刺激の歯磨き剤を選ぶのもポイントです。食後の歯磨きと同様に、こまめなうがいも口内炎の症状改善に効果的だと言われています。外出時など歯磨きしづらい状況の場合は、口内をゆすぐだけでも良いので習慣にしてみてくださいね。
口内炎の基礎知識
口内トラブルの中でも、多く見られる口内炎ですが、そもそも口内炎とはどのような状態なのでしょうか。口内炎について解説します。
口内の粘膜に起こる炎症
口内炎とは、口内粘膜に炎症が起きた状態のことを言います。口内炎が起こる原因は、ストレスや体力低下、ウィルス感染などさまざまです。粘膜の炎症により起こる腫れや痛み、出血の他、ニオイがする症状もあります。
口内炎が痛む場合には歯科医院を受診しよう
市販薬を使っても、なかなか口内炎が治らない場合には、歯科医院へ受診するのがおすすめです。口内炎の原因に合わせた適切な治療を受けられます。最後に、歯科医院で行う口内炎の治療内容と、自分の口内環境を知ることで、口内のトラブル予防に役立てられる唾液検査シルハについて紹介します。
基本治療①レーザー治療
多くの歯科医院では、投薬治療の他にレーザー治療を実施しています。口内炎のレーザー治療とは、炭酸ガスレーザーのような熱エネルギーを患部に照射し、消毒・殺菌をしながら治療していきます。レーザー治療は痛みが少なく、鎮静するスピードが早いのがメリットです。
基本治療②器具の調整
外部から受ける物理的な刺激も、口内炎ができる原因の1つです。被せ物や入れ歯、矯正器具などを装着している場合、それらによる物理的な刺激が原因となっている恐れもあります。その場合、歯科医院では器具が口内にできるだけ接触しないように調整してくれるので、相談してみましょう。
口内環境を知るには唾液検査シルハがおすすめ
口内炎を予防するためにも、口内環境を清潔に整えることは大切です。口内環境をチェックするのにおすすめなのが、唾液検査シルハです。シルハでは、口を水ですすぐだけで口内環境に関する6つの項目を知ることができます。
シルハの検査結果では、むし歯菌や酸性度などの項目ごとに数値化され、口内環境の清潔度を見える化できます。自分ではなかなか気づけない口内トラブルのもとを防ぐことができ、歯科医師から適切なアドバイスが受けられるのでおすすめです。全国で1,500を越える医療機関に導入されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
口内炎の痛みに適切な対処をしよう
口内炎による痛みは、口内炎の状態や種類にもよりますが、薬を使って和らげることもできます。自分の症状に合ったタイプの薬を選ぶとともに、生活習慣についても見直してみましょう。また、口内炎の痛みの強さや治り具合が気になる場合には、早めに医療機関を受診して医師に相談するようにしてくださいね。
監修歯科医師:水野 裕文 先生
ちあきあじさい歯科院長。日本口腔インプラント学会所属。
朝日大学歯学部卒業後、大学病院の口腔外科で研修を積む。その後は大学院で予防歯科を学び、臨床の場でも知識を活かしながら診療にあたってきた。「健康を目指すには家族ごと健康になってもらわないと意味がない!」と感じるようになり、地元の愛知で「ちあきあじさい歯科」を開業。現在は地元で小さな子からお年寄りまで通っていただける歯科を目指している。
https://chiaki-ajisai-dental.com/staff/