(2023年4月25日)
すきっ歯の方の中には「笑った時に気になる」「食べものが詰まる」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか? この記事では、すきっ歯の原因や放置した場合のデメリット、治療方法などをご紹介します。すきっ歯は治せるものなので、この記事を参考にして、場合によっては治療を検討してみてくださいね。
すきっ歯とは?
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間ができている状態のことです。専門的には歯間離開(しかんりかい)や空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれています。すきっ歯の中でも、上の前歯の中心に隙間ができているケースは、正中離開(せいちゅうりかい)と呼ばれます。すきっ歯は口を開けた時に目立つので、悩む方が多くいるようです。
すきっ歯の原因
すきっ歯になる原因は、先天性と後天性のどちらのケースもあります。すきっ歯の原因を詳しく見ていきましょう。
歯と顎のサイズが合っていない
歯が通常より小さいなど、顎のサイズと合っていないと歯に隙間ができやすくなります。また、歯が小さくなくても顎が大きい場合、すきっ歯になるケースがあります。不規則な歯の隙間が複数できるのが特徴です。歯の形が悪い場合も隙間ができやすくなります。
歯が少ない
永久歯は通常28本(親知らずを含めると32本)ですが、生まれつき歯が少ない場合もあります。歯のない部分は隙間が空くため、すきっ歯になります。これは先天的なものなので、稀ですが子どもに遺伝する可能性があると言われています。
また、何らかの原因で生えてこない、もしくは歯が歯ぐきに埋まったままになるケースもあります。
顎のゆがみ
顎がゆがむと歯並びが悪くなり、すきっ歯になる可能性があります。顎がゆがむ原因として考えられるのが、何気ない習慣です。頬杖をつく、いつも同じ側を下にして寝るなどの習慣があると、顎がゆがみやすいので注意が必要です。
舌の癖
舌を前歯の裏に押し当てる癖があると、前歯が外向きに広がってしまいます。また、下唇を噛む癖もすきっ歯の原因です。上の前歯が外向きに押し出され、前歯の間に隙間ができやすくなります。
指しゃぶり
子どもの頃に長く指しゃぶりをしていた方も、すきっ歯や出っ歯になりやすいと言われています。これは、指を吸うことで歯の内側に力がかかり、歯が外側に開くことが原因です。そのため、子どもの指しゃぶりは、歯が生えそろう3歳ごろまでにやめさせた方が良いとされています。
歯周病
実は、歯周病もすきっ歯の原因の1つです。年齢を重ねるにつれてすきっ歯になってきた方は、歯周病が原因かもしれません。歯周病菌は歯の土台である歯槽骨(しそうこつ)を溶かします。それによって歯が揺れやすくなり、すきっ歯の状態を引き起こすことがあるのです。
すきっ歯を放置することのデメリット
すきっ歯は、その見た目が特に気にされがちです。しかし、見た目以外にも影響を及ぼす可能性があります。すきっ歯を放置することのデメリットも確認しておきましょう。
むし歯や歯周病のリスクが高まる
すきっ歯のなかでも歯と歯の間の隙間が少ない場合は、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい状態になります。歯磨きもしにくいので、意識して清潔にしておかないとむし歯につながります。また、細菌が増えると歯周病になる可能性もあります。
発音が不明瞭になる
一般的に、サ行やタ行の音を発音しにくいのもすきっ歯の特徴です。歯と歯の間から息がもれ出るので、周囲の方には発音が不明瞭に聞こえてしまう場合があります。
体に不調が出る
すきっ歯の方は、噛み合わせが悪いケースも多いです。噛み合わせが悪いと、食べ物を嚙み砕きにくくなります。十分に噛み砕くことなく飲み込んでしまうと食べ物の消化に時間がかかるので、胃腸の負担が大きくなります。また、消化不良になってしまい、腹痛や下痢が起こることもあります。そうなってしまうと栄養を十分に吸収できないため、体調を崩す原因になるかもしれません。
さらに、噛み合わせが悪いと顎まわりの筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛になることもあります。
すきっ歯の治療方法
すきっ歯は原因や状態に合わせて治療することが大切です。歯周病が原因ですきっ歯になっている場合は、まず歯科医院で歯周病の治療を行いましょう。歯周病以外が原因の場合は、詰め物で隙間を埋めたり、矯正したりするのが一般的な治療方法です。次に、すきっ歯の治療方法について解説します。
ダイレクトボンディング法
歯にコンポジットレジン(プラスチック製の素材)などを継ぎ足して、歯と歯の間を埋める方法です。歯を削ることなく治療できるというメリットがある一方、継ぎ目ができる、年月が経つに連れて変色しやすいというデメリットもあります。ただし、変色は歯科医院で研磨するなどして修復してもらえます。
この方法は歯並びを治すわけではないので、歯並びの悪さからすきっ歯になっているケースには向きません。
ラミネートベニア法
隙間の両隣りの歯を少しずつ削り、そこへセラミック製の差し歯を張り付ける治療方法です。変色しにくく、仕上がりが自然なのがメリットで、小さい隙間に向きます。
デメリットは、ラミネートベニアのチップを貼り付ける際に、歯を薄く削らなければならないという点です。また、3mm以上あるような大きな隙間には向きません。さらに、すきっ歯が複数ヵ所にある場合は、他の治療方法をすすめられる場合が多いでしょう。
ワイヤー矯正
歯並びを矯正して、すきっ歯を治す方法です。金属やセラミック、プラスチック製などのブラケットやワイヤーを使用し、歯を動かして固定していきます。
ワイヤー矯正には、ブラケットやワイヤーを歯の表に着ける表側矯正と、裏に着ける裏側矯正があります。裏側矯正は目立ちにくいというメリットがある反面、表側矯正よりも治療に時間がかかったり、治療費が高くなったりするのがデメリットです。すきっ歯だけを治したいなら、部分矯正で治療できる場合もあります。
マウスピース矯正
こちらも歯並びを矯正する方法の1つです。歯型を取ってマウスピースを作り、それをはめることによって歯並びを矯正して、すきっ歯を治療します。目立ちにくいので人気ですが、治療が長期間になることがあります。
すきっ歯の予防方法
すきっ歯を自力で治すことはできません。しかし、先述したようにすきっ歯の原因は先天的なものだけではないので、予防することができます。最後に、すきっ歯の予防方法を確認しておきましょう。
癖や習慣を見直す
今はすきっ歯でなくても、舌を前歯の裏に押し当てる癖や下唇を噛む癖、頬杖をつく習慣、片方を下向きにして寝る習慣などがある方は注意が必要です。癖や習慣によって、将来すきっ歯になる可能性があります。癖や習慣は無意識にやってしまうことが多いものです。自分の行動を意識した上で見直し、すきっ歯を予防しましょう。
鼻呼吸を意識する
口呼吸が常態化すると、舌の位置が悪くなり、舌で歯を押し出す癖がついてしまいます。鼻呼吸を意識し、舌で歯を押し出す癖がつかないように注意しましょう。舌が正しい位置にあるか、下記を参考に確認してみてください。
<舌の正しい位置>
舌の奥部分→上顎に接している。
舌の先部分→上前歯裏側の根元にある、歯ぐきのふくらみ部分に接している。
口内環境を整える
先述したように、歯周病が原因ですきっ歯になるケースもあります。歯周病は、すきっ歯だけでなく、歯が抜け落ちる原因になったり、口臭の原因にもなります。口内を清潔にしておくことで、歯周病を予防しましょう。
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また、すきっ歯の治療で矯正する場合は、矯正器具を長期間外せないことも多くあります。矯正前に口内環境を整えたり、矯正中に口内環境を保つためにも検査をすることがおすすめです。
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すきっ歯は原因に合わせた方法で治療しよう
すきっ歯になる原因は複数あります。自分がすきっ歯になっている原因を知り、それに合った治療方法を選択しましょう。まずは歯科医院での相談をおすすめします。すきっ歯を治して、より素敵な笑顔を目指しましょう。