歯ブラシはどれくらいで交換する? 交換時期の目安と寿命を早めないポイント

歯ブラシはどれくらいで交換する? 交換時期の目安と寿命を早めないポイント

(2023年3月31日公開)
毎日使う歯ブラシは、どれくらいのスパンで交換していますか?歯ブラシは、適切なタイミングで交換しないと歯磨きの効果が薄れてしまい、さらには口内に悪影響を与えるなどのおそれがあります。毎日歯磨きをきちんとしているのに、汚れがおちにくい、むし歯になるなどの悩みを抱えている場合、歯ブラシを適切に交換できていないことが原因になっているかもしれません。
毎月8日は「歯ブラシ交換デー」です。歯ブラシや歯磨き粉のメーカーであるライオン株式会社が、定期的に歯ブラシを交換する目安として、「歯=8(ハ)」にちなんで制定し、歯科医院などでも広く目安として案内されています。
この記事では、歯ブラシを交換するタイミングの目安と、歯ブラシの寿命を縮めないためのポイントをご紹介します。

               

歯ブラシの交換時期(寿命)・状態

歯ブラシには寿命があります。歯ブラシを交換するタイミングや、交換したほうがよい歯ブラシの状態についてご紹介します。

交換時期

歯ブラシの交換時期は、使い始めて約1か月が目安です。使い始めてから1か月ほど経過すると、ブラシのコシがなくなってしまい、さらには歯ブラシに菌が増殖し始めます。つまり、使い始めてから1か月ほど経過した歯ブラシを使うと、歯磨きをきちんと行っていても汚れがちゃんと落としきれておらず、増殖した菌を口内に運んでしまっていることになります。
歯ブラシの見た目には変化がない場合、いつから使い始めたか、いつ交換すればよいか忘れてそのまま使用してしまうおそれがあるため、「歯ブラシ交換デー」のように毎月の交換日を決めておくと安心です。

交換の目安

歯ブラシを交換する目安は、使用している期間だけではなく歯ブラシの状態を見て判断することも目安になります。1か月も使っていないにも関わらず、歯磨きの方法や歯ブラシの毛のタイプによって、毛先が変形したり汚れが付着したりするなどして、歯磨きに悪影響を及ぼすおそれがあります。

毛先が広がっている

歯ブラシのヘッドの後ろ側から見て、毛がはみ出て見えれば交換する必要があります。歯磨きをしていれば自然と毛先は広がっていきますが、歯磨き圧が強すぎることが原因で、毛先が早く広がっていきます。毛先が広がった歯ブラシは、新しい歯ブラシに比べて洗浄力が低下するといわれています。

毛先のコシがない

歯磨きは、ブラシ部分のコシ・弾力による反発力を使って汚れを落としています。歯ブラシを使用していると段々とブラシにコシがなくなってしまいます。コシがなくなってしまったものも洗浄力が落ち、歯磨きの効果が低下します。その結果、歯の表面のざらつきが気になるようになり、力強く磨く原因となるため、歯ブラシの劣化をさらに早めてしまう上、歯や歯ぐきを傷付ける原因にもなります。指で確認して購入したときよりもコシがなくなっていれば、交換する必要があります。

汚れ

歯ブラシに汚れが付着している場合、菌が繁殖しているおそれがあります。使用後の歯ブラシの洗浄が不十分で食べカスが残っていることや、乾燥が不十分で水分が残り続けていることなどが原因となります。よく見ても気づけない小さな汚れもあるため、十分な洗浄と乾燥を心がけましょう。サッと水洗いで済ませず、指で優しくこすり洗いをして、風通しのよい場所に置くか冷風のドライヤーで乾燥させると良いでしょう。
このように、毛先が広がっている、コシがなくなっている、汚れが付着しているなど、歯ブラシの見た目に変化が現れた場合は、歯ブラシを新しく交換するサインです。また見た目には変化がなくても、気付きにくいレベルで歯ブラシが汚れたり毛が弱ったりしています。使い始めて1ヶ月が経過したら、見た目に変化が表れなくても、新しい歯ブラシに交換するようにしましょう。
歯ブラシ交換の目安や使い古しの歯ブラシの歯垢除去力について、歯科衛生士の方に解説や検証をしていただいた模様を、こちらの記事でご紹介しています。

歯ブラシの寿命を過ぎても使い続けるとどうなる?

歯ブラシの寿命を過ぎたまま使用を続けていると、歯磨きの効果が薄れてしまい、反対に口内に悪影響を及ぼすおそれがあります。詳しくご紹介します。

汚れが落としきれない

歯ブラシの毛先にコシがなくなったり毛先が広がったりすると、毛先がちゃんと当たらなくなってしまったり、汚れを落とす反発力が落ちたりしてしまい、歯磨きの効果が低下して歯垢が十分に落とせなくなります。そのため、歯をきちんと磨いていても、実際には汚れを落としきれておらず、むし歯や歯周病になるおそれがあります。汚れがきちんと除去できていなければ、むし歯や歯周病だけでなく口臭にもつながるおそれがあります。

菌を口内に運び込むことになる

口内にはたくさんの菌や汚れが存在しているため、歯ブラシを一度使うだけで多くの汚れや菌が付着します。寿命を過ぎた歯ブラシを使うと、使用後にしっかり洗っているつもりでも十分に菌を落としきれなくなっています。そうすると、歯ブラシには徐々に菌が増えていってしまい、せっかく取り除いた菌が口に戻ってしまいます。また、歯ブラシも長く使い続ければ徐々に傷が付いていきます。この傷にも菌が入り込む可能性があります。1ヶ月ほど経つと歯ブラシには多数の菌が増殖している状態です。

歯ぐきや歯を傷つけるおそれがある

歯ブラシの毛先のコシがなくなったままの状態で歯磨きをすると、いつもより汚れが落とせなくなって歯の表面がザラついてしまい、自然と歯磨き圧が強くなります。そのため、歯や歯ぐきに強い力が掛かってしまい、それらを傷つける原因となります。
このような不適切な歯磨きは、知覚過敏につながるおそれもあります。知覚過敏では、歯ぐきが下がることで歯の根元部分が露出することにより、歯の神経にに刺激が伝わりやすくなって痛みを感じます。加齢なども影響しますが、強い歯磨きも原因の一つとなります。
知覚過敏は、適切な歯磨きを妨げてしまう原因にもなります。刺激によって痛みを感じるため、痛みを避けようとして歯磨きが控えめになってしまうからです。その結果、洗浄不足になってむし歯や歯周病のリスクを上げてしまう負の連鎖を生み出すおそれがあるのです。

歯ブラシの寿命を早めないようにするには

1ヶ月経過するよりも早く交換のサインが表れないようにするため、気をつけるポイントをご紹介します。適切な方法で歯磨きや保管をしていないと、寿命が早まるおそれがあります。

歯ブラシ以外のアイテムも活用する

通常の歯ブラシでは落としきれない口内の汚れもあります。歯ブラシとその他のホームケアグッズを使い分けることで、口内の洗浄力がアップし、歯や歯ぐきを守り、歯ブラシの寿命も伸びます。
歯のすき間は、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って食べカスや歯垢を取り除いていきます。
奥歯や歯の根元などのしっかり磨きづらい部分には、ヘッドが小さく毛束が一つだけになったタフトブラシが便利です。
舌磨きには舌専用の舌ブラシを使用するのがおすすめです。
このように、洗浄したい場所や目的によってさまざまなケアグッズがあります。歯ブラシだけで落とそうとしないことで、歯ブラシに掛かる負担が少なくなり毛の状態をより維持できます。また、目的に適したケアグッズを適切に使い分けることで、口内をより適切に洗浄することができます。自分の悩みに合わせてホームケアグッズを取り入れましょう。
オーラルケアについて詳しい内容は、こちらをご覧ください。

歯を磨く圧に気をつける

歯ブラシの磨くときの力加減が強い場合も、歯ブラシの劣化を早めます。歯ブラシの柔らかさや毛の量などでも異なりますが、1か月もたたないうちに毛が広がったりコシがなくなったりする場合、歯磨き圧が強いことが原因かもしれません。力強く磨いていると、歯の表面や根元が削れる、歯ぐきが出血したり下がったりする、口内を傷付けて口内炎になる、などのおそれもあります。
歯を磨いているときの指先を見たとき、爪が白くなるほど力が掛かっている場合は、歯磨き圧が強すぎます。歯磨きの力加減には気をつけましょう。
適切な歯磨き圧に関して歯科衛生士の方に解説いただいた内容を記事にしています。詳しい内容については、こちらをご覧ください。

自分にあった歯ブラシを使用する

自分に合っていない歯ブラシを使っていると、すみずみまで思うように磨けず、ブラッシングの回数が増えたり余計な力が掛かったりしてしまい、早く毛先が弱ってしまうことも考えられます。歯ブラシは、毛の材質や硬さ、毛先の形状、ヘッドの大きさやグリップの持ちやすさなど、様々なタイプがあります。いつも同じ歯ブラシを使うのではなく、ときどき違うタイプの歯ブラシを使ってみたり、歯科検診の際に相談したりして、自分に合う歯ブラシを見直すようにしましょう。

歯ブラシを清潔に保管する

歯ブラシのお手入れの基本は、十分な水洗いと十分な乾燥です。

使い終わった後は必ずブラシ部分を水洗い

ブラシの部分に水を流しながら指でもみ洗いします。洗っているときには食べカスなどが残っていないかもチェックするようにしましょう。そのあと清潔なタオルなどで水分を拭き取ります。

ブラシ部分をきちんと乾燥させて保管する

洗面台のケースの中で保管することや歯ブラシのキャップをつけたまま保管することは、あまりおすすめできません。これは、空気がこもってしまって乾燥を妨げるためです。また、横に倒して置いておくことや歯ブラシ同士が触れ合ったまま保管することも、十分な乾燥を妨げます。ブラシの根元まで乾きやすいよう、歯ブラシスタンドなどに立てて保管しましょう。
<外出先で歯を磨いた場合>
外出先で使用した歯ブラシは、しまう前に乾燥させることができません。そのため、しまう前にしっかり水気を取り、毛先を保護するためにキャップもつけましょう。そして、ご自宅などに戻られてからその日中に乾燥をするようにしましょう。

歯ブラシを熱湯消毒したり加熱したりすると長く使えるようになる?

歯ブラシを煮沸したり、電子レンジにかけたりして加熱する消毒方法は推奨されていません。歯ブラシの耐熱温度の問題上、変形や変質などのおそれがあるためです。
歯ブラシの耐熱温度は80℃以下となっているものが多いため、熱湯消毒や電子レンジでの加熱は避けましょう。場合によっては、火傷などの思わぬトラブルの原因にもなります。
また食器用の漂白剤やキッチン用のアルコールスプレーなどを使用することも推奨されていません。漂白剤は、濃度が濃いと体に悪影響を及ぼすおそれもあり、反対に薄めすぎたものは、消毒の効果も薄れてしまいます。またアルコール消毒も、口内の菌には効果を発揮しないものもあります。
歯ブラシの基本的なお手入れである、ブラシの部分を流水で洗浄し十分に乾燥させて保管することを徹底しましょう。

まとめ 自分に合った歯ブラシを清潔な状態で使おう

歯ブラシは、自分に合ったものを選ぶだけでなく、毛先の形状や弾力が保たれていて清潔な状態で使うことが大切です。毛先が開いたりコシがなくなったりした歯ブラシでは、十分にブラッシングができないだけでなく、無駄な力が掛かってしまい、歯や歯ぐきを傷付けてしまうおそれもあります。適切な歯磨き圧でブラッシングをおこない、しっかり水洗いをしてから乾燥をすることが大切です。そして、キレイな状態で使用できていても、1か月経過すれば見えない菌が多数繁殖している状態であるため、新しい歯ブラシに交換をしましょう。
市販でおすすめの歯ブラシについては、こちらをご覧ください。

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