(2024年4月17日更新)
唾液検査と聞くと、新型コロナウィルスの検査方法である唾液PCR検査を想像する人が多いかもしれません。しかし、唾液検査の中には、歯科医院などで口内環境をチェックする目的で行われるものがあります。本記事では、予防歯科にもつながる唾液検査について、口内環境測定システム「シルハ」のことを中心に、検査で分かることや検査方法などについて紹介します。
唾液検査と聞くと、新型コロナウィルスの検査方法である唾液PCR検査を想像する人が多いかもしれません。しかし、唾液検査の中には、歯科医院などで口内環境をチェックする目的で行われるものがあります。本記事では、予防歯科にもつながる唾液検査について、口内環境測定システム「シルハ」のことを中心に、検査で分かることや検査方法などについて紹介します。
唾液検査の目的
新型コロナウィルスの唾液PCR検査について耳にすることが多いですが、口内環境を知るために歯科医院で行われている唾液検査もあります。ここでは、歯科医院で行われている唾液検査について、詳しく紹介します。
唾液の成分や菌の活性度を調べる
歯科医院で行われている唾液検査とは、唾液に含まれる成分や菌の活性度などを分析し、歯と歯ぐきの健康や口内の清潔度を調べる検査のことです。問診や視診だけでは把握できない、むし歯や歯周病になるリスクを予測することができます。
口内環境を数値化することで、自分に適したオーラルケアを知る
口内環境は、一人ひとり異なりますが、唾液検査により口内環境が数値化されることで、自分に適したオーラルケアが分かります。むし歯の原因や歯周病になるリスクが検査によって明確に表されるのが大きなメリットです。
唾液検査の方法
唾液検査の方法は、測定装置と検査キットにより異なります。専用のガムを5分程度噛んで検体を取り、専門機関からの結果を数日間待つ方法もありますが、洗口用水を口に含み10秒ほどすすぎ、数分後に結果が出るものもあります。
唾液検査をするときのポイント
唾液検査を受ける前には、基本的に以下のような注意点があります。
※決まりごとや注意点は、検査方法によりそれぞれ異なるため、検査を受ける前に事前に確認しておくことをおすすめします。
※決まりごとや注意点は、検査方法によりそれぞれ異なるため、検査を受ける前に事前に確認しておくことをおすすめします。
- 検査前の12時間以内は、アルコールを含むマウスウォッシュの使用は避ける。
- 検査前の2時間以内は、歯磨き・飲食・喫煙をしないようにする。
- 唾液の分泌の量に変化が出る激しい運動は控える。
- 服用している薬があれば、検査前に伝える。
歯科でおこなう唾液検査で何がわかるのか、どんな人におすすめなのかを別の記事で解説しています。
合わせてご参照ください。
合わせてご参照ください。
検査の一例:口内環境チェック「シルハ」
自分の口内環境をチェックし、むし歯や歯周病などを予防したい場合は、短時間で結果が分かる唾液検査【シルハ(SillHa)】がおすすめです。
全国の医療機関等で検査が可能
唾液検査のシルハは、約10秒口をすすぐだけで、自分の口内環境が分かります。全国さまざまな歯科医院・薬局などで検査を受けられ、5分程度で結果が分かるので忙しい人でも気軽に検査を受けることができるのが魅力です。
唾液検査シルハで分かること
口内の状態が分かる唾液検査のシルハでは、自分の口内環境に合った治療やケア方法のヒントが得られます。口内トラブルに関係が深い6つの項目が、レーダーチャートで表示されるので、 自覚しにくい口内の状態を、客観的なデータを通して知ることが可能です。ここでは、シルハのデータ結果から分かる内容を紹介します。
【歯の健康①】むし歯菌
むし歯菌と呼ばれる細菌には、ミュータンス菌やソブリヌス菌、ラクトバチラス菌などがあり、これらの数値が多ければ、むし歯が発生しやすくなると言われています。シルハでは、むし歯菌の活性度の検出が可能です。むし歯がない人でも、数値が高いとむし歯になりやすいので要注意。反対に、むし歯があっても菌が活性していなければ、数値は低くなります。
【歯の健康②】酸性度
唾液の酸性度は、口内が酸性に傾いているかを表す数値です。一般的に、口内環境は食事やさまざまな要因で変わり、歯が溶解(脱灰)したり、修復(再石灰化)されたりしていますが、口内の酸性度が高いと歯が溶解しやすく、修復されにくいため、むし歯になりやすい傾向があります。
【歯の健康③】緩衝能
緩衝能とは、食事などで酸性に傾いた口内を、唾液によって中和させる働きのことです。唾液の緩衝能が弱いと、口内が酸性に傾いたままで歯が溶解しやすい状態となり、むし歯になりやすくなります。分泌される唾液の量が少ないことも、緩衝能が低い原因の1つになるようです。
【歯ぐきの健康①】白血球
白血球の数値で、歯周病などの歯ぐきの健康チェックが可能です。白血球の数値が高い場合は、菌の増殖などで歯ぐきがダメージを受け、炎症を起こしている可能性があります。
【歯ぐきの健康②】タンパク質
タンパク質の数値からも、歯ぐきの健康状態が分かります。歯周病などが原因で、口内に炎症や出血があったり、繁殖した菌が多かったりすると、唾液中のタンパク質が増えるようです。
【口内の清潔度】アンモニア
アンモニアの数値は、口内の清潔度を知ることが可能です。口内の細菌数が多いと、唾液中のアンモニア濃度が高くなり、口臭も強くなる傾向があります。
唾液検査シルハの検査方法や費用などの詳細は下記ページをご参照ください。
健康な口内環境を保つポイント
健康な口内環境を維持するためには、歯科医院で定期的な検査を受けたり、食習慣に気を配ったりすることが大切です。最後に、健康な口内環境を維持するためのポイントについて紹介します。
プロケアを受ける
プロケアとは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士などに口の状態をチェックしてもらい、ケアを受けることです。定期的に歯の状態や口内を検査してもらうことで、適切な治療や予防処置が受けられます。また、歯磨きだけでは落とすことが難しい汚れや、歯石などの除去も可能です。正しい歯磨きの方法など、適切なセルフケアのアドバイスを受けられるのも、大きなメリットと言えるでしょう。
歯科定期検診のメリットや検診の内容については、▼こちらの記事も参考にしてください。
セルフケアをする
セルフケアは、自宅で出来る毎日のケアを指します。専門家が行うプロケアと合わせて、セルフケアを行うことで、より健康な口内環境への維持につながります。
歯磨き粉は、フッ素入りのものがおすすめ。フッ素には、歯の成分が溶け出した部分を修復して、歯を丈夫にする作用や、むし歯の活動を抑える働きがあります。
むし歯や歯周病、口臭などの原因となる歯垢をできるだけ残さず、しっかり落すことも大切です。歯垢が付きやすい歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間は、特に丁寧に磨きましょう。歯垢を落としにくい歯と歯の隙間などには、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使うのがおすすめです。
また、口内の菌の増殖を抑えることも、むし歯や歯周病予防にとって大切です。殺菌剤入りのデンタルリンスを活用することで、効果的に菌の増殖を抑えられます。特に、睡眠中は唾液分泌が減り、口内に菌が増えやすくなるため、マウスウォッシュ(洗口液)で口をゆすいでから寝るようにすると良いでしょう。
歯磨き粉は、フッ素入りのものがおすすめ。フッ素には、歯の成分が溶け出した部分を修復して、歯を丈夫にする作用や、むし歯の活動を抑える働きがあります。
むし歯や歯周病、口臭などの原因となる歯垢をできるだけ残さず、しっかり落すことも大切です。歯垢が付きやすい歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間は、特に丁寧に磨きましょう。歯垢を落としにくい歯と歯の隙間などには、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使うのがおすすめです。
また、口内の菌の増殖を抑えることも、むし歯や歯周病予防にとって大切です。殺菌剤入りのデンタルリンスを活用することで、効果的に菌の増殖を抑えられます。特に、睡眠中は唾液分泌が減り、口内に菌が増えやすくなるため、マウスウォッシュ(洗口液)で口をゆすいでから寝るようにすると良いでしょう。
歯科医院でのケアとご自宅でのケアについて一つの記事にまとめています。
▼こちらの記事もぜひご覧ください。
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食習慣を改善する
むし歯や歯周病の予防には、食生活に気を配ることも大切です。甘いものや炭水化物など、糖分の多い食べ物の摂取量が多いと、歯垢が溜まりやすくなるため、むし歯や歯周病になりやすい傾向があります。
やわらかい食べ物は、食べカスが歯に付きやすく、またあまり噛まないことで自浄作用がある唾液の分泌が少なくなるので、多く摂るのは避けた方が良いでしょう。唾液の分泌を促すためには、しっかりと噛んで食事をすることが大切。また、酸性の食べ物は、歯を溶かしてしまう可能性があるため、摂取量に気を付けましょう。
やわらかい食べ物は、食べカスが歯に付きやすく、またあまり噛まないことで自浄作用がある唾液の分泌が少なくなるので、多く摂るのは避けた方が良いでしょう。唾液の分泌を促すためには、しっかりと噛んで食事をすることが大切。また、酸性の食べ物は、歯を溶かしてしまう可能性があるため、摂取量に気を付けましょう。
唾液検査で自分に合ったオーラルケアをしよう
唾液検査で口内環境を知ることができれば、ご自分に最適なオーラルケア方法がわかり、むし歯や歯周病の予防につながります。また、定期的な検査で適切なオーラルケアを続けることで、会話や食事の時も安心して、自信を持ったコミュニケーションができそうですね。お近くに検査が受けられる歯科医があれば、ぜひ一度ご自分の口内環境を知るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。