「歯の黄ばみは生まれつきだから…」と諦めないで! 今より白くする5つの方法

「歯の黄ばみは生まれつきだから…」と諦めないで! 今より白くする5つの方法

(2023年2月24日更新)
「昔から歯が黄ばんでいるから…」と、歯を白くするのを諦めていませんか? もともと歯が黄ばんでいる方でも、歯を白くする方法があります。本記事ではもともと歯が黄ばんでいる原因と、その改善方法をご紹介します。自分で改善する方法と、歯科医院で行う方法がありますので、自分に合うものを見つけてくださいね。

               

生まれつき歯が黄ばんでいる原因

元から歯が黄ばんでいる原因は、体質や遺伝、エナメル質形成不全などが考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.体質・遺伝

歯の色を左右するのは、エナメル質の下にある象牙質の色です。象牙質は乳白色の方が多いですが、なかには黄色味を帯びた方もいます。エナメル質が薄いと、象牙質が透けて見えます。日本人は歯のエナメル質が薄い傾向にあるため、象牙質が黄色味を帯びていると歯が黄ばんで見えるのです。
また、象牙質は遺伝の影響を受けやすく、象牙質の色味が異なってくるためもともと歯が黄ばんで見える方もいます。

2.エナメル質形成不全症

エナメル質形成不全症とは、うまれつきエナメル質が形成されにくい病気のことです。エナメル質が脆い状態で、内側にある象牙質が透けて見えます。そのため、エナメル質形成不全症かつ象牙質が黄色味を帯びていると、歯が黄ばんで見えることがあります。
エナメル質形成不全症が多く見られるのは、永久歯の前歯と6歳臼歯(6歳頃に奥歯に生えてくる永久歯)が主です。重度の場合、変色の他に歯の欠損や象牙質の露出、歯がでこぼこするなどの症状が表れることもあります。
エナメル質形成不全症の発症には、母親が妊娠中に罹患した疾患、妊娠中に長期的または多く服用した薬、早産、歯の成長時期の栄養障害などが関わると考えられていますが、どれも決定的なものとは言えません。エナメル質形成不全症は、未だ解明されていない部分が多くある病気です。

抗生物質により変色することもある

顎の中で歯が形成される時期(出生直後~8歳くらいまで)に、テトラサイクリン系抗生物質を大量に服用すると、歯が黄色や灰色、縞模様に変色することがあります。テトラサイクリン系抗生物質は、百日咳やマイコプラズマ肺炎の特効薬として、昭和40年代頃に普及していた薬で、その頃に生まれ育った方は服用していた可能性があります。
しかし、テトラサイクリン系抗生物質は歯の変色を誘発することが判明したため、現代では歯の形成が完了していない8歳未満の子どもには、原則処方されていません
これらの原因に心当たりがある方は、まずは歯科医師に相談しましょう。口内のむし歯菌が活性化していたり、酸性度が高かったりするとエナメル質にも影響があります。口内環境や生活習慣についても相談できるお近くのクリニックはこちらから検索できます。

生まれつき黄ばんでいる歯を白くする5つの方法

歯を白くする主な方法として、以下の4つの方法が挙げられます。自宅と歯科医院でそれぞれ行える改善方法を見ていきましょう。

1.フッ素配合の歯磨き粉を使う

フッ素には、エナメル質の修復促進と象牙質を強化する働きがあります。そのため、フッ素配合の歯磨き粉を継続して使用することで、歯を白く見せられるようになるでしょう。
なお、ともと黄ばんでいる歯にはホワイトニング用の歯磨き粉を使用しないでください。ホワイトニング用の歯磨き粉は研磨剤を含んでいるものが多くあります。研磨剤にはエナメル質を削る働きがあるので、もともと象牙質が黄色味を帯びている場合はますます黄色く見える恐れがあります。

2.ホワイトニングをする

ホワイトニングは、歯の表面に薬剤を塗って歯を白くする方法です。大きく分けて3タイプのホワイトニングがあります。
  • 歯科医院で施術してもらうオフィスホワイトニング
  • 自宅で行うホームホワイトニング
  • 歯科医院と自宅、両方で行うデュアルホワイトニング
<オフィスホワイトニング>
歯科医院のみで行われる施術で、歯に薬剤(過酸化水素など)を塗り、LEDやレーザーの光を歯にあてて色素を分解し白くしていきます。
・施術時間/1回30分程度
・施術回数/2週間おきを目安に1~3回
<ホームホワイトニング>
自宅で歯を白くする方法です。まず歯科医院でマウスピースを作成してもらい、自宅でホワイトニングジェルを入れて歯に装着します。
・装着時間/1日2~4時間ほど
・装着期間/約2週間
<デュアルホワイトニング>
歯科医院でオフィスホワイトニングを行い、その後にホームホワイトニングを行う方法です。ホワイトニング効果が高く、白さが長持ちしやすいと言われています。
ホワイトニングは保険適用外で歯科医院ごとに料金が異なるため、必ず事前に確認しましょう。
ただし、エナメル質が薄く重度の知覚過敏の場合や、重度のテトラサイクリン変色歯の場合、エナメル質形成不全の症状の度合いにより、ホワイトニングが行えないケースがあります。歯の神経に刺激が伝わって激しく痛んだり、施術しても効果が得られなかったりするためです。
ホワイトニングをしたい方は、まずは歯科医師に相談をすると良いでしょう。

3.歯専用のマニキュアをぬる

歯のマニキュアとは、爪のマニキュアのように歯の表面に塗料を塗布することで、黄ばんだ歯を白く見せる方法です。すぐに白くしたい方におすすめの方法です。ホワイトニングでは難しい部分も白くすることができます。

4.プラスチックの樹脂などを用いる

プラスチックの樹脂を歯の表面に薄く張り付けたり、歯全体を覆ったりして白く見せる治療もあります。保険適用外ではありますが、ラミネートべニアというセラミック素材を使う方法もあり、自然な白さに仕上がります。エナメル質形成不全症の方はこの方法で治療することもあります。

5.歯質を強化する栄養素を摂る

歯のエナメル質や象牙質を強化できる栄養素を摂ることで、歯を白く見せることができます。エナメル質を強化することで象牙質が透けにくくなり、健康な歯が持つ本来の白さを保つことができます。ビタミンAやカルシウム、ビタミンD、ビタミンCなどを積極的に摂取してみましょう。
<ビタミンA>
エナメル質を強化する働きがある栄養素です。ビタミンAの不足は、エナメル質形成不全症の原因にもなります。
【ビタミンAを含む主な食べ物】
にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃ、わかめなどの海藻類、鶏や豚のレバー、うなぎ、卵黄、チーズ
<カルシウム>
象牙質はほとんどがカルシウムで形成されています。カルシウムには、溶けたエナメル質の修復を促す作用があります。
【カルシウムを含む主な食べ物】
牛乳・チーズなどの乳製品、小魚、大豆、小松菜、ひじき
<ビタミンD>
ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
【ビタミンDを含む主な食べ物】
サケ・サバ・マグロなどの魚、バター、キノコ類、牛レバー
<ビタミンC>
ビタミンCには象牙質を強化する働きがあり、不足すると歯が弱くなります。
【ビタミンCを含む主な食べ物】
ブロッコリー、ピーマン、いちご、焼きのり

今日からできる、歯の黄ばみを予防する方法

もともと歯が黄ばんでいる方でも、日々の生活習慣でさらに黄ばみが増すことがあります。ここでは、歯磨きと唾液に着目して黄ばみの予防法をご紹介します。

着色成分を除去:しっかりと歯を磨く

歯の黄ばみは、日々の食事やたばこなどの嗜好品からも生じます。特にコーヒーや赤ワイン、カレーなどが着色しやすいと言われています。着色を防ぐために、それらを口にした後はできるだけ早く歯磨きをしましょう。すぐに歯を磨けないときは、口をすすぐだけでも構いません。
また、歯垢(プラーク)の磨き残しにより、歯が黄ばんで見えることもあります。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシなども活用して歯垢をしっかりと取り除くことが大事です。

エナメル質を修復:唾液の分泌を促す

歯は食事の度に溶ける性質(脱灰)があり、唾液には溶けた歯の修復(再石灰化)を促す働きがあります。口を乾燥させないようにして、食事の際はよく噛んで唾液の分泌を促すようにすることで、ナメル質の修復、そして黄ばみの改善につながでしょう。また、舌トレーニングで唾液腺周辺の筋肉を鍛えることでも唾液の分泌を促せます

【舌トレーニングのやり方】

  1. 口を大きく開ける
  2. 舌を前方に突き出し、元に戻すのを繰り返す
  3. 上唇の方に舌を突き出し、左右に動かす
  4. 舌を前に突き出し、唇を舐めるように1周させる
  5. 前歯の裏に舌を当て、舌打ちのような音(「チャッ」というような音)を出す

黄ばみ予防には歯科医院の受診も大切

歯の黄ばみやむし歯を防ぐためにも、定期的に歯科医院で口内を確認してもらいましょう。ここでは定期検診の際に受けられるクリーニングや、唾液検査についてご紹介します。

定期的に歯科医院を受診しよう

日々しっかりと歯磨きをしていても、磨き残しや着色汚れは少なからずあるものです。磨き残した歯垢は石灰化します。そのまま放置して歯石になると、歯磨きでは落とせません
定期検診の際にクリーニングも受けて、歯垢や歯石、着色汚れをキレイに落としましょう。特にエナメル質形成不全症の方は、歯の1番外側のエナメル質が形成されないため、むし歯になりやすいです。クリーニングで歯垢や歯石を除去することは、むし歯や歯周病予防つながります。

唾液検査をして自分の口内をチェックしよう

歯科医院での定期検診の際には、唾液検査も受けて自分の口内環境を把握しましょう。唾液検査は、水で10秒ほど口をすすぐだけで行えるシルハがおすすめです。シルハでは、6項目を検査・チェックすることができます。
酸性度が高いと、エナメル質が修復されにくく、歯が黄ばむ原因になることがあります。また、緩衝能が低い場合は、酸性の口内を中性に戻す働きが弱くなっているサインです。中性に戻す働きが弱いと、むし歯や酸蝕歯(さんしょくし)になりやすく、歯が黄ばむ原因になりかねません。
自分の口内環境を把握することは、むし歯や歯周病の予防に役立ちます。シルハを導入している医療機関はこちらから検索できます。

生まれつきの黄ばみ改善は歯科医院で相談を

生まれつきの歯の黄ばみには、ホワイトニングが有効とされています。ただし、歯の状態によってはホワイトニングを受けられないケースもあるため、必ず歯科医師に相談しましょう。
また、フッ素やプラスチックの樹脂を用いた改善方法もあるので、自分に合った方法を探してみてくださいね。

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