歯ブラシが歯に当たると痛む原因:歯ぐき下がり
歯ぐきが下がることで歯の根元が露出すると、神経に刺激が伝わりやすくなり、歯磨きのときに痛みが出る原因になってしまいます。歯ぐき下がりの主な原因には次の2つがあります。
歯周病が進行している
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐきが腫れたりや、歯を支える骨などが溶けてしまったりするう病気です。歯周病が進行することで徐々に歯ぐきが下がってくるケースがあります。
歯は、中心に神経、その周りに象牙質、さらに歯の表面を硬いエナメル質が覆う構造をしています。象牙質は、歯の神経まで管が無数に広がっており、象牙質に刺激が伝わると管を辿って神経に伝わります。歯の根元は、エナメル質は無く歯ぐきに守られていますが、歯ぐきが下がることで、歯の根元の象牙質が露出してしまうため、刺激があると痛みを生じます。
歯は、中心に神経、その周りに象牙質、さらに歯の表面を硬いエナメル質が覆う構造をしています。象牙質は、歯の神経まで管が無数に広がっており、象牙質に刺激が伝わると管を辿って神経に伝わります。歯の根元は、エナメル質は無く歯ぐきに守られていますが、歯ぐきが下がることで、歯の根元の象牙質が露出してしまうため、刺激があると痛みを生じます。
強い力で歯みがきをしている
歯磨きの際にゴシゴシと力を入れてブラッシングをしていると、歯ぐきがダメージを受けて下がる原因となります。その結果、歯の根元の象牙質が露出することで、痛みを生じてしまう原因となります。
歯ブラシが歯に当たると痛む原因:歯の破損や摩耗
歯磨きのときに痛む部分に次のようなことはないでしょうか。
- 歯が欠けている、折れている
- 歯の表面や根元が削れている
- むし歯がある
- 歯を治療した痕がある
これらが痛みの原因かもしれません。歯や治療した部分が破損したり摩耗したりしていると、歯ブラシが当たったときに痛みを生じることがあります。ここでは歯の破損や摩耗の原因についてご紹介します。
むし歯が進行している
むし歯が進行していると、歯を磨く際に痛みを感じる場合があります。むし歯が原因で歯に穴が空くと、歯ブラシや食べ物などで刺激を受ける部分と神経の距離が近くなるためです。
むし歯の原因や症状などについては、こちらの記事もチェックしてみてください。
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歯ぎしり・食いしばりをしている
歯ぎしりや食いしばりが習慣化していることも歯ブラシが当たると痛みを生じる原因のひとつです。歯に強い負担がかかることで、歯の表面を覆うエナメル質が削れることがあります。エナメル質の下には象牙質があるため、歯ブラシが象牙質に触れることで痛みを生じます。
酸性の強いものを摂り過ぎている
エナメル質が消失する原因のひとつに、酸蝕(さんしょく)があります。エナメル質はpH5.5以下の酸に弱いため、酸性度の高い食品を日常的に取り過ぎていると、エナメル質が薄くなります。
その結果、神経に刺激が伝わりやすくなり痛みを生じる可能性があります。pH5.5以下の食品は、柑橘類や酢などが代表的です。また、甘い清涼飲料水やスポーツドリンク、ワイン、ソースやドレッシングなど、酸と糖分の両方を含むものにも注意が必要です。
その結果、神経に刺激が伝わりやすくなり痛みを生じる可能性があります。pH5.5以下の食品は、柑橘類や酢などが代表的です。また、甘い清涼飲料水やスポーツドリンク、ワイン、ソースやドレッシングなど、酸と糖分の両方を含むものにも注意が必要です。
歯が欠けている・折れている
打撲などにより歯が欠けたり折れたりすることで象牙質が露出し、痛みが出ることがあります。折れている場合は残っている歯に亀裂が入っていることもあります。
痛みの原因を放置するリスク:歯ぐき下がり
歯ぐきが下がった状態を放置していると歯周病の進行や重症化のリスクがあります。また、見た目への影響があります。ここでは、歯ぐき下がりを放置することのリスクを紹介します。
歯周病を放置するリスク
歯ぐき下がりが起きている状態では、歯周病が中等度まで進行しているおそれがあります。放置してしまうと歯周病がさらに進行し、膿がでて口臭の原因になったり歯がグラグラしたりしてきます。そして、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
強い力での歯磨きを放置するリスク
強い力での歯磨きを長く続けることで歯ぐきが下がったり歯のエナメル質が削れたりします。歯ぐきが下がると痛みを生じるだけでなく、見た目もの変化してしまいます。また、歯と歯の間が広くなることで食べ物が挟まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクも上昇します。また、エナメル質を削ってしまうことで、せっかく歯磨きでキレイにしようとしてもむし歯リスクが上昇する原因にもなります。
痛みの原因を放置するリスク:歯の破損や摩耗
歯のダメージを放置することで痛み以外にも様々なリスクがあるため注意が必要です。ここでは、放置することで起こりうるリスクをご紹介します。
むし歯を放置するリスク
むし歯は自然治癒しない病気です。放置することで何もしていない状態でも激しい痛みを生じるようになることがあります。この場合、むし歯がかなり進行している可能性があるため、できるだけ早く歯科医院を受診するようにしましょう。さらに進行すると歯の神経が消失するため痛みがなくなります。この段階まで放置すると、むし歯菌が顎の骨まで侵入し炎症を引き起こす、顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)という病気を発症することがあります。顎骨骨髄炎になると、骨に膿が溜まり顎や顔が腫れたり、ひどい口臭がするようになったりします。また、むし歯菌が全身へ回り重症化すると心筋梗塞や脳梗塞、敗血症などを引き起こす可能性もあります。
歯ぎしり・食いしばりを放置するリスク
歯ぎしりや食いしばりを放置することで歯や歯ぐきに負担を与えてしまいます。長い期間続くと歯と歯ぐきの間に隙間ができたり歯のエナメル質が摩耗したりして、象牙質が露出してしまいます。そうすると、歯磨きのときに痛むだけでなく、むし歯や歯周病のリスクもを高めてしまいます。また歯ぎしりや食いしばりは顎への負担も大きいため、顎関節症の原因となったり顎や首の筋肉の緊張が広がって肩こりや頭痛を引き起こしたりする場合もあります。
酸性の強いものの摂り過ぎを放置するリスク
酸性の強い食べ物や飲み物を摂り過ぎると口の中が酸性に傾いてしまいます。その結果、歯の表面が溶けてしまう酸蝕歯という状態になります。むし歯とは違い飲食物などの酸に歯が長時間さらされることが原因ですが、放置しているとむし歯になるリスクも高くなります。
歯が欠けている・折れている状態を放置するリスク
歯が欠けている状態は、欠けた部分で口内を傷つけたり、欠けた部分からさらに歯が欠けていったりするリスクがあります。また、象牙質が露出しているとそこからむし歯になるリスクも高くなります。歯の根元が折れている場合、初期は軽い痛みがあり、1∼2日経過すると、歯のグラつきや歯ぐきの腫れがおき、痛みも強くなります。1週間経過すると溜まった膿から臭いが発生します。放置によって歯を失うケースもあるため、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
歯ブラシが歯に当たると痛い時に自分でできる対処法
歯磨き中に歯ブラシが歯に当たると痛むけれど、すぐに歯科医院に行けない時もありますよね。ここでは、一時的に痛みを抑えるために自分でできる対処法をご紹介します。
歯磨きは優しく丁寧に行う
歯磨きは、痛みを感じるからといっておろそかにするのではなく、入念に行うことが何よりも重要です。歯ブラシの硬さはやわらかめまたは普通程度のものにして、力をかけずに優しくブラッシングしましょう。歯の表面に対して90度になるように歯ブラシを当て、小刻みに動かすのがポイントです。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのもおすすめです。短時間で行うのではなく、10分ほどの時間をかけてしっかりと磨くようにしてください。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのもおすすめです。短時間で行うのではなく、10分ほどの時間をかけてしっかりと磨くようにしてください。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
ブラッシングの際に、知覚過敏用の歯磨き粉を使うのも対処法のひとつです。知覚過敏用の歯磨き粉は、露出してしまった象牙質にバリアを作り、痛みを軽減する効果が期待できます。また、フッ素入りの歯磨き粉も有効です。フッ素入りの歯磨き粉は、エナメル質の強化が期待できるでしょう。
フッ素のジェルを塗る
フッ素が含まれるジェルをぬることで痛みが軽減されることがあります。フッ素には、歯の表面を強化したり、やむし歯の原因菌の活性を阻害したりする効果が期待できます。
歯を食いしばるのをやめる
日中など意識のある状態で歯を食いしばる癖のある方はやめるように意識しましょう。そうすることで歯や歯ぐき、顎への負担を軽減できます。また、睡眠中など意識のない状態の歯ぎしりや食いしばりには、マウスピースを使って歯を保護する方法もあります。
酸性度の高い飲食物を控える
酸性度の高い飲食物を摂ると、エナメル質に負荷をかけてしまうため、痛みを感じる時にはなるべく避けた方が良いでしょう。また、酸の強い飲食物を摂った後に水を飲んだり、うがいをしたりするのも効果的です。
歯ブラシが当たると歯が痛い時は早めの対処を
歯ブラシが歯に当たって痛みを感じる時は、放置せずになるべく早く対処することが大切です。自分の状態がわからない時や適切な対処法がわからない場合は、早めに歯科医師へ相談をしましょう。また、定期的な口内チェック、日頃のケアでむし歯や歯周病を防ぐことも、痛みの予防につながります。